外出自粛中、120点描く 岡本太郎賞の野々上さん 南青山でコロナ展

2020年6月16日 07時08分

「コロナ展」の会場で作品に囲まれる野々上聡人さん=いずれも港区で

 日常を一変させた新型コロナウイルス感染症に触発され、千葉県松戸市在住の若手芸術家、野々上聡人(ののうえあきひと)さん(35)が、油彩やドローイング(線画)など約百二十点の作品を描き、港区で個展を開いている。タイトルは「コロナ展」。今年の「岡本太郎現代芸術賞」で最高賞の岡本太郎賞に輝いた野々上さんは「人々の活動が止まった特殊な環境は、絵にも影響を与えた」と語る。 (安田栄治)
 野々上さんは人の顔のような「創造物」の彫刻やオブジェなどを塔のように積み上げた作品で、芸術家岡本太郎(一九一一〜九六年)の精神を継承する新進気鋭の作家を顕彰する大賞を受賞。自らを「物を作り出す喜びにアディクト(常習)した猿」と表現する。
 新型コロナとその影響に着想を得て、独特な芸術性が発揮され作品群。「この時期にしか描けない絵」といい、岡本さんが並外れたものの称賛によく使った形容詞「ベラボーな」が似合う。
 油彩画では、二対の人のようなものの間に立ちはだかって濃厚接触を防いでいる創造物がコロナウイルスだったり、手を洗えと言われ続けた反動でつい地面をなめてしまう創造物の弱さを表現したり。ドローイングでは、妖怪アマビエが苦しんでいる作品もある。「アマビエは疫病から人々を助けると言われているのに、その仕事をしていないから糾弾されている」と野々上さん。
 外出自粛中は、起床とともに浮かんだイメージをドローイングで描き、その後はアトリエにこもって、多い時は一日三枚の油彩画を仕上げるなど三月からの三カ月で百二十点を描き上げた。「コロナは社会に大きな変化をもたらした。悪いことばかりと考えず、この変化を前向きに示したかった」と個展への思いを語る。
 会場は、港区南青山五の一七の六、「ビリケンギャラリー」。二十一日まで正午〜午後七時開催(十六日は休み)。同時入場を五人までに制限し、入り口でマスクを配布している。問い合わせは、ビリケンギャラリー=電03(3400)2214=へ。

濃厚接触を妨げるものをコロナウイルスでイメージした作品

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