<東海第二再稼働 なるか県民投票>あす採決自民どう判断 県議会委で過半数押さえる

2020年6月17日 07時03分

 日本原子力発電東海第二原発(東海村)の再稼働の賛否を問う県民投票条例案は、十八日の県議会防災環境産業委員会で採決される。県議会全体の過半数を占める最大会派のいばらき自民が委員会の過半数も押さえており、この日の自民の表決結果で事実上、県民投票が実現するかどうかが決まる。採決に先立ち、総務企画委員会との「連合審査会」で参考人質疑もある。(宮尾幹成)
 防災環境産業委員会は十人で構成され、自民が下路健次郎委員長(東海村)ら六人、国民民主系の県民フォーラム、公明、共産、無所属が各一人。採決に加わらない委員長を除いても、自民が九人中五人と過半数を確保している。
 自民、県民、公明は十六日現在、会派としての態度を明らかにしていないが、十一日の本会議で自民の加藤明良氏(水戸市・城里町)は、県民投票に否定的な立場で一般質問に臨んだ。
 委員会のメンバーのうち、共産の江尻加那氏(水戸市・城里町)と無所属の中村勇太(はやと)氏(古河市)は本紙の取材に対し、条例案に賛成の意向を示している。
 この日は防災環境産業委員会の採決に先立って、総務企画委員会と合同で「連合審査会」が開かれる。堀江英夫防災・危機管理部長や村上仰志(たかし)総務部長ら県執行部の説明聴取と質疑に続き、五組十人の参考人に対する意見聴取と質疑がそれぞれ三十分ずつある。
 参考人は(1)行政手続きに詳しい古屋等・茨城大人文社会科学部教授(2)資源エネルギー庁職員(一人)(3)原子力規制庁職員(四人)(4)山田修・東海村長(5)条例制定を直接請求した「いばらき原発県民投票の会」共同代表(三人)。
 エネ庁と規制庁から参考人を呼ぶことについては、「県民の意思を問う手段として県民投票が適切かどうか」という本来のテーマから外れるとの指摘も。共産の江尻氏は「再稼働の賛否の方に議論が広がっていくのでは」と警戒する。
 原発再稼働の賛否を問う都道府県レベルの住民投票条例案の審議で、エネ庁や規制庁(前身の原子力安全・保安院などを含む)の職員が参考人として出席した例はないが、議会運営委員会の石井邦一委員長(自民、常陸太田市・大子町)は「幅広い意見を聞こうという森田悦男議長(自民、古河市)の判断」と理解を求める。
 連合審査会では、参考人質疑を受けて各会派などが意見表明。総務企画委のメンバーが退室した後、防災環境産業委として午後六時ごろ、採決する。県議会全体としては閉会日の二十三日に本会議で採決する。

◆「県民投票の会」徳田共同代表 条例案の一般質問1人のみ「非常に低調な議論」と苦言

条例案の審議経過について所感を述べる「いばらき原発県民投票の会」の徳田太郎共同代表=県庁で

 「いばらき原発県民投票の会」の徳田太郎共同代表は十六日、開会中の県議会で一般質問に立った九人のうち、県民投票条例案を取り上げたのは実質的に一人だけだったと指摘し、「非常に低調な議論だ」と苦言を呈した。県庁での記者会見で語った。
 一般質問は十一、十二、十五日の三日間あったが、条例案について正面から質問したのは加藤明良氏(いばらき自民)のみ。条例案は十八日に防災環境産業、総務企画両委員会の「連合審査会」で審議後、その日のうちに防災環境産業委でスピード採決される。
 徳田氏によると、過去に原発再稼働の賛否を問う県民投票条例案が審議された四都県のうち、宮城県では本会議で質問した二十人のうち十人が条例案を取り上げた。東京都と静岡県では本会議での質問は少なかったが、委員会審議で複数日程を確保。新潟県では正副議長を除く全議員参加の特別委員会が設置され、三日間かけて審議した。
 徳田氏は、自身も参考人として出席する連合審査会に対し「慎重かつ丁寧にご審議いただきたい」と求めた。(宮尾幹成)

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