職場で性的少数者の保護、明確に 雇用差別で米最高裁が初判断

2020年6月17日 07時08分
 【ニューヨーク=赤川肇】心と体の性が一致しないトランスジェンダーや同性愛を理由にした解雇が違法かどうかが争われた訴訟で、米連邦最高裁は十五日、性別に基づく雇用差別を禁じた公民権法の規定に違反するとの初判断を示した。米国で働く推定八百十万人の性的少数者(LGBT)にとって、職場での法的保護が明確になる。
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 LGBTの差別禁止を巡る法整備は州ごとに温度差があり、連邦レベルでは野党民主党が多数派の下院が二〇一九年に包括的な「平等法案」を可決したが、共和党優位の上院を通過する見通しは立っていない。このため、カリフォルニア大ロサンゼルス校によると、LGBT労働者の半数近い推定三百九十万人が差別に対する法的保護なく働いているのが現状だ。
 訴訟の争点は、公民権法第七編の「性差別」が性的指向や性自認も対象に含むかどうかだった。トランプ政権は訴訟で、現行法が改正されない限り「対象ではない」との意見書を出しており最高裁決定は政権側の主張を退ける格好となった。
 決定は判事九人のうち保守派二人を含む六人の多数意見。「雇用主が同性愛やトランスジェンダーを理由に解雇する場合、他の性別なら問わない特性や行動を理由に解雇することになる。性別が必要かつ明白な原因で、まさに公民権法が禁止している」と説明した。
 トランプ氏は決定を受けて報道陣に「驚いた人もいた」と述べつつ「われわれは受け入れる。とても力強い決定だが、それが最高裁の判断だ」と直接的な評価を回避。十一月の大統領選でトランプ氏に挑む民主党のバイデン前副大統領は声明で「万人の平等に向けた新たな一歩」と称賛した。

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