「清風園をなくさないで」 新宿の高齢者施設 利用者ら署名活動

2020年6月18日 07時05分

廃止が計画されている「高齢者いこいの家清風園」=新宿区で

 新宿区立施設「高齢者いこいの家清風園」(中落合一)の廃止計画の撤回を求め、地域住民らが署名活動をしている。二〇二一年九月に廃止して建物を解体する計画で、区議会本会議で十九日、廃止条例案が採決される。跡地は民設民営の障害者向けグループホームになる予定。住民らは「高齢者の居場所として長年親しまれてきた清風園をなくさないで」と求めている。 (中村真暁)
 区によると、清風園は一九六二年に開設され、七九年に建て替えられた。二階建てで浴室や集会室、談話室などがあり、二〇一八年度の利用者は延べ約二万六千五百人。六十歳以上の都民が利用でき、区民は無料で、区外の人は七百円。
 新型コロナの影響で利用を制限中だが、利用する女性(78)は「緑があって、友人とも交流でき、多くの人の生きがいの場。外出自粛中の人も行くのを楽しみにしている」と話す。
 廃止する理由の一つが、ボイラーや配管など設備の老朽化。改修には二億円以上かかるという。ほか、この六年ほどで利用者が三割近く減少したことも理由だ。区は廃止後、清風園近くにあるデイサービス施設内を改修し、交流スペースを設ける予定でいる。浴室については、周辺施設の利用を呼びかける。
 利用者らによる「清風園を守る会」の栗原千恵子さん(71)は「検討段階から区民の声を聞くべきなのに、住民に計画を知らせたのは一月の説明会。それも、一方的に説明するだけで、意見交換の場はなかった」と廃止計画を問題視する。
 指摘に対し、区の担当者は「説明会のほか、町会、高齢者団体などにも説明しており、一定の理解が得られている」と説明する。また、「グループホームのニーズは高い」とも説明したが、栗原さんは「高齢者と障害者の施策は別の福祉。区は多文化共生を目指しているのに、一方を排除しようとしている。多様な人が使える共生の場として残して」と訴える。
 守る会は区議会に、施設継続を求める陳情書を署名二千二筆とともに提出したが、十五日の福祉健康委員会では「審査未了」となり、採択されなかった。署名活動は専用サイト「チェンジ・ドット・オーグ」などで続けており、今も集まり続けている。

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