「自宅勤務も労働時間と認めて」自殺の三菱自動車社員の遺族代理人訴え

2020年6月18日 13時59分

三菱自動車の社員の過労自殺について、会見する遺族代理人の川人博弁護士(右)ら=17日、東京都内で


 三菱自動車の男性社員=当時(47)=が自殺したのは長時間労働が原因だったとして、三田労働基準監督署(東京)が五月二十八日付で労災を認定した。遺族側が六月十七日、記者会見で明らかにした。労基署は男性の死亡前一カ月の時間外労働時間が百三十九時間超だったと認定したが、自宅で働いた分の大半を算入しなかった。遺族代理人は「新型コロナウイルス禍でテレワークが推進されており、社外勤務も労働時間と認めるべきだ」と指摘した。
 遺族側によると、男性は一九九三年四月に入社し、技術者として長く自動車の商品開発に関わっていた。二〇一八年一月に、これまで経験のなかった販売戦略などを担当する企画部門に配属された。中国向け輸出事業など十一もの業務を兼務。昨年二月、家族に電話で「仕事がきつい。会社をやめたい」と漏らした数日後、単身赴任していた横浜市の社員寮で自殺した。
 遺族代理人が男性のパソコンの使用記録などを調べると、男性の死亡前一カ月の時間外労働時間は「過労死ライン」とされる八十時間の二倍近い百五十三時間超で、ほとんど休みがなかった。睡眠時間は五時間未満の日が続いていた。
 労基署は男性が長時間労働でうつ病などを発病し、自死につながったと認定。しかし、男性が自宅で働いた約二十時間は労働時間としてほぼ認めなかった。
 代理人の川人(かわひと)博弁護士は「労基署は(会社の指揮命令下にあるか分かりにくい)自宅勤務を、労働時間に認定することに消極的。テレワークが普及する中、自宅で無制限労働を迫られる問題になりかねない」と批判した。三菱自は「社員が亡くなったことを重く受け止めている」とコメントした。 (岸本拓也)

関連キーワード

PR情報

経済の最新ニュース

記事一覧