昨年の台風19号浸水 被害は「川崎市に責任」賠償を 市民ミュージアム収蔵品

2020年6月19日 07時15分

監査請求について説明する篠原代表幹事(右から2人目)ら

 昨年十月の台風19号で川崎市中原区の市民ミュージアムの収蔵品が浸水したのは、市が適切な管理を怠ったためだとして、かわさき市民オンブズマンは十八日、被害額を福田紀彦市長らに賠償させるよう住民監査請求した。大型台風の接近が分かっていたにもかかわらず、収蔵品を地下収蔵庫から上階に移さなかったことは、地方自治法に違反したと主張している。 (大平樹)
 監査請求書によると、市は二〇一九年十月十一日に台風被害が出る前の同月八日から、休館などの対応を検討していたものの、文化財などの収蔵品を上階に移すことを検討しなかった。上階へはミュージアムのエレベーターなどを使うことができ、「浸水被害を未然に防ぐことは可能だった」と指摘した。
 賠償するべき金額は、原状回復に必要な費用などの「相当額」とした。市は建物と収蔵品の被害額の想定を約七十二億円としているものの、約八カ月たった今も搬出と修復を続けており、具体的な被害額を明らかにしていないため。

市の対応への不満を述べるメンバーたち=いずれも市役所で

 市役所で会見したオンブズマンの篠原義仁代表幹事は「一七年に指定管理者制度に移行したことで、収蔵品をずさんに管理するようになった。貴重なものを扱っている意識があれば、上階に移しただろう」と批判した。

◆被災者の状況把握や生活再建策など質問 市民団体が市に9項目

 昨年の台風19号で被災した川崎市民らでつくる団体「多摩川水害を考える川崎の会」は十八日、市に対して、被災者の状況把握や具体的な生活再建策など九項目を問う質問状を出した。市の返答によっては損害賠償を求める訴訟の提起も視野に入れている。
 質問には、多摩川からの逆流を防ぐための水門を開けっ放しにしていた理由や、市が四月にまとめた検証に協力した学識経験者の選考過程などもある。六月末までの回答を求めている。
 同会は、浸水被害に対する賠償や第三者機関による再検証などを求める請願を市議会に提出し、継続審査となっている。市役所で会見したメンバーたちは、市に対して「対応に重大な誤りがあったことを率直に認めるべきだ」「市は住民の被害の実態を調べていない」などと口々に批判した。 (大平樹)

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