下仁田・下鎌田遺跡出土 縄文時代の「耳飾」渡来品か

2020年6月19日 07時42分

渡来品の可能性が判明した玦状耳飾=下仁田町歴史館で

 下仁田町教育委員会は、同町馬山の下鎌田遺跡で発掘された縄文時代の石製装身具「玦状耳飾(けつじょうみみかざり)」を成分分析した結果、日本では確認されていない石材だったことが分かったと発表した。中国や朝鮮半島からの渡来品の可能性があるという。町自然史館の中村由克館長は「アジア大陸から新たな文化が渡来し、どのように広まったかを知る手掛かりになる」としている。(石井宏昌)
 耳飾りは乳白色で、長さ五・一センチ、幅約二・六センチ。環状の半分だけが残っている。重さは一二・七グラム。七千年ほど前のものとみられ、町重要文化財になっている。中村館長と台湾中央研究院の飯塚義之研究技師が昨年十二月、蛍光エックス線分析をした結果、石材は鉄をほとんど含まない「透閃石(とうせんせき)ネフライト」と判明。中国や朝鮮半島中部で産出される鉱物という。
 同遺跡は上信越自動車道下仁田インターチェンジ建設工事に伴い、一九八七〜九〇年に発掘調査を実施。耳飾りの石材について、顕微鏡による結晶観察や比重計測をした二〇一七年の調査では、石英の結晶が集まった「玉髄」とされ、国内産と推測されていた。
 新たな分析結果に中村館長は「玦状耳飾りで渡来品の可能性が科学分析で確認された第一例。中国の『玦』が日本に渡来し、国内産の材料を使いながら玦状耳飾りとして広まったという説を裏付ける資料になる」と話した。
<玦状耳飾り> 現代のピアスに似た装飾品で、石の中央の穴から外に切れ目がある。古代中国の宝器「玦(けつ)」に形が似ていることから名付けられた。

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