40年後には高齢人口380万人に<都政のいま>

2020年6月20日 07時13分
 東京都の人口は五月一日、初めて千四百万人(推計)を超えた。地方からヒト、モノ、金を吸収しながら膨張し、世界有数の超過密都市となった東京。待機児童や通勤ラッシュ、災害対策など大都市ならではの課題に直面している「都政のいま」を探る。
 都の人口は終戦直後、三百万人台だった。復興や高度経済成長を経て、一九六〇年代後半には千百万人を突破。その後ほぼ横ばいで推移し、二〇〇〇年ごろから再び増加している。
 人口増加の大きな部分を占めるのが、地方から首都圏にやってくる若い世代の転入。近年は都心部で人口増の傾向が強く、都によると、港区、千代田区、中央区はこの五年間だけで人口が約一〜二割増えた。
 極端な一極集中を推進力に、都内経済は拡大を続けた。計算基準が異なるため単純比較はできないものの、一九九九年に八十兆円台だった都内総生産(名目)は昨年、百七兆円を突破した。
 一方、急速な都市の人口膨張は歪(ひず)みも。住宅確保、通勤ラッシュ、環境汚染…。中でも環境問題はこれまでの都政でもたびたび注目され、美濃部亮吉知事による全国初の大気・水質常時観測や、石原慎太郎知事のディーゼル車排ガス規制などにつながった。
 ここ数年では待機児童が社会問題化。現都政で減少はしたが、解消には至っていない。大規模災害時の避難所確保や都市部の温暖化なども大きな懸案だ。新型コロナウイルス対応では、医療体制の確保や満員電車内の感染防止など人口過密都市のもろさも露呈した。
 今後、都の人口は二〇二五年をピークに減少。六〇年には千二百万人を下回る水準にまで縮小するとみられている。この間、生産年齢人口(十五〜六十四歳)は約二百三十万人、年少人口(十五歳未満)は約四十五万人減。高齢者(六十五歳以上)は約五十万人増え約三百八十万人に達し、終戦直後の都内総人口に匹敵する規模となる。
 超過密都市の課題と人口減少、少子高齢化にどう同時に立ち向かうのか。都政は今、重大な転換点を迎えている。 (岡本太)

おすすめ情報

社会の新着

記事一覧