「遊び金なら出さない」 学生バイトに休業補償なし

2020年6月20日 07時13分

休業補償を求める大学生=18日、東京都内で

 新型コロナウイルス感染拡大で休まされた学生アルバイトに、休業手当が支払われない問題が多発している。首都圏で営業するもつ鍋居酒屋チェーン「木村屋本店」で働くアルバイトの千葉県内の男性(20)が18日記者会見し、休業手当が全く支払われていないとして運営会社「KIDS(東京都新宿区)」と団体交渉していることを明らかにした。労働組合団体には小売店、塾などで働くバイト学生からの相談が相次いでいる。 (池尾伸一)
 男性によると、同チェーンの店舗で週四、五日働いてきたが、三月から勤務が減り、四月以降は営業停止で勤務ゼロに。正社員には六割の休業手当が出ているが、学生バイトには補償が何もない。
 男性は、父親が亡くなり、母親も病気。月約十万円のバイト収入や奨学金借り入れで生活費や授業料を工面している。「バイト収入がないと生活に困る」として個人加盟の労組「首都圏青年ユニオン」に加盟。六月九日に会社と団体交渉を行ったが、会社は支払う方針を示さなかった。幹部は「当社での勤務が生活の基盤になっている人なら手当を出すが遊ぶ金なら出さない」とも言ったという。
 同ユニオンが四月末に学生バイトを対象に緊急電話での相談を受け付けたところ、寄せられた七十七件ののうち、五十九件は「勤務が全部カットされたが補償が全くない」との内容だった。多くの企業が「バイトには休業補償しなくてよい」と誤った認識を持っていることが分かった。法律では学生バイトにも平均賃金の六割の休業手当を支給せねばならない。 
 学生バイトは、雇用保険の対象でなく企業はこれまで雇用調整助成金の支給を受けられなかった。だが、四月から特例で学生バイトへの休業手当についても助成金が出る。
 大学生協連の調査では親からの仕送りが「五万円未満」の学生は一九九〇年代は5%前後だったが、昨年時点では16%に上昇。学生のバイト代への依存は高まっており、同ユニオンは「バイト代は学生の生活費になっており補償が必要」と指摘。日本労働弁護団の梅田和尊弁護士も「学生バイトであっても労働者であることには全く変わらず、企業は当然、休業手当の支給義務がある」と言う。

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