福島汚染水 海洋放出反対の声も 県内首長ら、国と意見交換

2020年6月20日 07時34分

処理済み汚染水の処分方法について内閣府の説明を聞く市町村長ら=水戸市笠原町で

 東京電力福島第一原発の汚染水を浄化処理した後の放射性物質トリチウムなどを含む水の処分方法を巡り、県内市町村長らと国の担当職員による意見交換会が十九日、水戸市笠原町の県市町村会館であった。出席者によると、国や東電が検討を進める海洋放出に反対する声も上がった。
 県内の全四十四市町村長(十七人は代理)と、内閣府原子力災害対策本部の松永明・福島原子力事故処理調整総括官らが出席。県市長会会長の山口伸樹笠間市長は冒頭、「仮に海洋放出することになれば県全体の経済に与える影響は非常に大きい。特に漁業関係者にとって風評の再燃は必至で、大きな不安を感じている」とあいさつした。
 その後の意見交換は非公開で行われた。複数の出席者によると、松永氏は、海洋放出を最も現実的な処分方法とした経済産業省小委員会の報告書に基づき、トリチウムの人体影響や風評被害対策に関する国の考え方を説明。首長側からは「国が責任を持って風評対策を」との要望が多く、二人ほどが海洋放出に明確に反対したという。
 終了後、取材に応じた北茨城市の豊田稔市長は反対意見を述べたと明らかにし、「(風評対策などの)条件がそろっていない。反対と言うのは当たり前だ」と強調。高萩市の大部勝規市長は「海水浴場に来る人が徐々に多くなってきたのに、またダメージを受ける。もう少し時間をかけるべきだ」と指摘した。
 経産省小委の報告書に対しては、福島事故後に海産物の出荷制限や風評被害に見舞われた茨城沿海地区漁業協同組合連合会が「風評の再燃は必至」と反発。大井川和彦知事も「白紙で検討を」と求めている。
 この日の意見交換会は、沿海部などの十四市長でつくる「茨城県北鹿行市長会」の提案を受け、県市長会と県町村会が国に開催を呼び掛けた。 (宮尾幹成、鈴木学)

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