<新型コロナ>県外客受け入れ、対策徹底 県東部観光施設 移動自粛全面解除で

2020年6月20日 07時40分

利用者が距離をとるコロナ対策を兼ね傘を貸し出している三島スカイウォーク=三島市笹原新田で

 都道府県境をまたぐ移動の自粛要請が全面解除された十九日、首都圏に隣接する県東部の観光施設は、解除後初の週末に向け、県外客受け入れの準備に追われた。新型コロナウイルスの打撃から立ち直る一歩と期待する一方、感染再拡大の懸念から、慎重な対応が目立つ。 (杉原雄介、佐野周平)
 ワイナリーを備える中伊豆ワイナリーヒルズ(伊豆市下白岩)は、年間来客数八万人のうち八割以上が県外客のため、新型コロナ対策を徹底。客が必ずマスクを着けるよう販売分を用意するほか、来場時には専用シートに名前や住所を記入してもらい、コロナに感染していた場合に行動履歴が分かるようにする。飛沫(ひまつ)感染を防ぐため、売店やフロントにはビニール幕やアクリル板も設置した。
 運営するホテルは夏に向けて宿泊予約も少しずつ増えてきているといい、ヒルズの担当者は「全国移動の解禁はうれしいが、お客さんに安心して来てもらうことが大切」と語った。
 日本一長いつり橋が人気の「三島スカイウォーク」(三島市笹原新田)では、開催中のあじさい祭に合わせ、晴れの日でも傘を貸し出している。色とりどりの傘で会場を彩るのと、傘を差して歩くことで来場者同士が近づきすぎないようにするのが狙いだ。
 スカイウォークは首都圏を中心に年間で百万人近い県外客が訪れるが、広報の武田沙也佳さんは「県外へのアピールはまだ積極的には考えてない。コロナの状況を見ながら、徐々にアピールも再開したい」と慎重な姿勢を見せた。

子牛のミルクやり体験で使う哺乳瓶を消毒するまかいの牧場の従業員=富士宮市で

 富士山を望む朝霧高原にある富士宮市の観光牧場「まかいの牧場」の担当者は、「客足が平常時の二割程度にとどまっている。(解除で)集客への期待は大きいが感染拡大への不安も同じくらいある」と明かす。
 約一カ月の臨時休業を経て、五月中旬に市民限定の無料開放で再開。静岡・山梨県民限定の無料開放を経て五月末、有料の本営業を再開した。担当者は「山梨は感染状況が落ち着いているので安心感があった。首都圏となると、ちょっと印象は変わる」と語る。そのうえ「まずは週末にどんな変化があるかに注目している。細心の注意を払い、県内の人も安心して来てもらえるようにしたい」と力を込めた。
 JR御殿場駅前でバーとスナックを経営する石山美歌さん(43)は今月一日、約一カ月半ぶりに営業を再開した。首都圏からの客が多い「御殿場プレミアム・アウトレット」(御殿場市)が五月下旬に再開したことなどを挙げ、「既に首都圏から多くの人が市内にきている。強く心配するような段階は過ぎたと思っている」。店では客は知り合いにほぼ限定し、従業員はフェースシールドを着けて接客している。「感染者を出さないように気を付けて営業するだけ」と語った。

関連キーワード

PR情報

静岡の最新ニュース

記事一覧