同性婚を「明確に認めるべきだ」 茨城の大井川知事、明言は初めて

2020年6月22日 07時30分

インタビューに答える茨城県の大井川和彦知事

 LGBTなど性的少数者のカップルを公認する「パートナーシップ制度」を昨年七月、都道府県で初めて導入した茨城県の大井川和彦知事は今月、共同通信のインタビューで、同性婚の実現を「明確に認めるべきだ」と賛成する意向を表明した。県によると、大井川氏が知事の立場で賛同を明言したのは初めて。性的少数者支援に積極的で、制度普及の推進役となっている知事の発言に、注目が集まりそうだ。
 同性婚を巡っては、政府は「憲法で想定されていない」とする立場を取っているが、野党から法制化を求める動きが相次ぎ、国レベルでの議論も活発になっている。
 大井川氏は「地方から動かないと、なかなか国が動く状況ではない」と、地方でLGBT支援策を広げることで、国での議論が進むことを望むとする意見を述べた。
 「LGBT問題の行き着く先は、LGBTではない方と同様に扱うことだ」と指摘。同性婚が認められていない現状には「(当事者に)結婚制度で受けられる利益を与えないことを続ける意味はない」と語った。
 大井川氏は通商産業省(当時)に入省後、民間企業に転身。二〇一七年の知事就任後、LGBTらへの差別禁止を明文化した条例など支援策を積極的に打ち出し、都道府県初となるパートナーシップ制度導入も大井川氏本人が発案。「行政が踏み出すことで、県民の理解や誤解の解消が進む、いい流れになっている」と強調した。
 制度の導入自治体が全国に広がる中、国会でも同性カップルについての議論は活発化。立憲民主、共産、社民の野党三党は昨年の参院選前、同性婚を制度化するための民法改正案を衆院に提出。日本維新の会も同性婚容認を公約に掲げた。
 自民党内でも、性的少数者への理解拡大に取り組む法案や政策作りへの議論が重ねられている。稲田朋美幹事長代行は二月、水戸市での講演で同性婚に触れ「一足飛びでなく、まず理解を増進させた後、そういう問題を議論するというのが私たちの方向性」と話した。
<パートナーシップ制度> LGBTなど性的少数者の差別解消を図り、多様性の尊重を促すことを目的に、東京都渋谷区と世田谷区が2015年、全国で初めて開始。当事者が申請し、自治体がカップルと公認して受領証を発行する。利用できるサービスは公営住宅の入居要件など各自治体によって定められている。支援団体などによると、今年4月1日現在で少なくとも計47自治体に広がっていて、共同通信の調査では、19年度までに全国で900組が成立した。名称は「パートナーシップ宣誓制度」が多いが、他の名称もある。

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