混雑電車でも窓20センチ開けると換気効果 世界最速の「富岳」で感染リスク解析

2020年6月23日 07時15分

床からの仕切りの高さ120センチ(上)と140センチ(下)でせきをした際の飛沫の散り方=理化学研究所・豊橋技術科学大提供、京都工芸繊維大・大阪大協力

 神戸大や理化学研究所のチームは、開発中の次世代スーパーコンピューター「富岳」を使った電車や室内での飛沫(ひまつ)の拡散予測を公開した。新型コロナウイルスの感染リスクを低減する方法を調べる研究で、電車では窓開けも有効だが混雑を避けることが一番と判明。オフィスでは頭の高さまである仕切りや、人と人が正対しない席の配置が大切だとした。
 坪倉誠神戸大教授らは、窓の開閉のほか人や物の配置といった条件を変えながら、空気や飛沫の動きを計算。電車では、混雑時もすいている時も窓を二十センチほど開けると換気が進み、一般的なオフィス程度の環境に近くなる。ただ、車両の後部や立っている人の頭の高さでより換気が進むなど効果にむらがあり、坪倉教授は「まず過密を避けることが重要だ」とした。
 また約二十人が働く小規模オフィスでは、机の間の仕切りの高さで飛沫の散り方が異なった。床から百二十センチと頭より低い高さの場合、強いせきをすると向かいの席の人が飛沫を浴びるが、百四十センチだと止められた。これ以上高くても効果に大差はなかった。一方、横方向への拡散は少なく、正面に人がいないような席の配置が有効とした。飲食店にも応用できるという。
 湿度によっても拡散の仕方に違いが出た。梅雨など湿った時期は飛沫が乾きにくく、すぐに机上に落ちるため、机の共有などによる接触感染により注意が必要という。
 坪倉教授は「感染リスクを評価し、どう対策すれば日常に戻れるか。効果的な対応策の提言をまとめたい」と話した。 (共同)

窓を閉めた電車内(上)と開けた車内の換気状況(水色)(理化学研究所提供、豊橋技術科学大・鹿島協力)

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