駐留経費負担「トランプ氏が日本に8500億円要求」 ボルトン氏回顧録

2020年6月23日 08時03分

講演するボルトン氏=AP

 【ワシントン=金杉貴雄】ボルトン前米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は二十三日出版の回顧録で、昨年七月に訪日した際、トランプ大統領が在日米軍の駐留経費負担として現在の四倍にあたる年間約八十億ドル(約八千五百億円)を求めていると、日本政府高官に伝えたと証言した。
 回顧録によると、ボルトン氏は訪日した際、谷内正太郎国家安全保障局長(当時)に、なぜトランプ大統領が年間八十億ドルを望んでいるかについて説明した、としている。
 韓国に対しても五十億ドルを要求していたとも明らかにした。
 帰国後にトランプ氏に報告すると、トランプ氏は日韓に対し「米軍を撤収させると脅せば、非常に強力な交渉上の立場を得られる」と指示したという。
 在日米軍の駐留経費負担に関し米側が日本に四倍増を求めていたことは、これまでも明らかになっているが、日本政府は公式には認めていなかった。
 支出の根拠となる特別協定は来年三月末に期限切れとなり、日本政府関係者は「交渉が本格化するのは十一月の大統領選後になる」との見通しを示している。米韓は既に交渉中だが難航している。

◆政府は増額要求否定

 日本政府は二十二日、ボルトン氏が回顧録で、防衛費分担金の大幅増額をトランプ大統領が求めていると日本政府高官に伝えたとの証言を否定した。「現時点で、新たな交渉は日米間では行われていない」(菅義偉(すがよしひで)官房長官)として、米国政府から増額要求された事実はないとの立場を強調した。
 菅氏は二十二日の記者会見で、現状の米軍駐留経費負担に関し「日米両政府の合意に基づいて適切に分担されている」と説明。回顧録については「内容一つ一つに、政府として答えは差し控える」と語った。
 河野太郎防衛相は二十二日の参院決算委員会で、経費負担に関し「日本、米国の一方が得をしては長く持たない。適切に分担しながら、日米同盟を基軸にわが国の安全保障をしっかりさせたい」と述べた。

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