「中止論」ちらつく五輪 追加費用はどこが負担するのか <都政のいま>

2020年6月24日 05時56分
五輪のモニュメント=東京都新宿区

五輪のモニュメント=東京都新宿区

  • 五輪のモニュメント=東京都新宿区
 本来なら開幕まで残り一カ月だった二〇二〇年東京五輪・パラリンピック。新型コロナウイルスの影響で一年延期され、大会簡素化に向けた検討が進む。新型コロナの終息が見通せない中、本当に開催できるのか、数千億円とされる追加費用はどこが負担するのか。東京都は開催都市として難しい状況に置かれている。
 「来年の大会の実現は組織委の使命だ」。大会組織委員会の森喜朗会長は十六日の会議で力を込めた。いまだ特効薬やワクチンはなく、世界でも感染者が増え続けている中で「中止論」がちらつく。
 国際オリンピック委員会(IOC)や組織委は感染予防とコスト縮減の観点から、開閉会式の簡素化や無観客開催などを検討しているが、テレビ局やスポンサーの意向、収入減などの事情が絡み、実現性は不透明だ。
 最大の課題は、現状で一兆三千億円の大会経費。延期に伴う数千億円とみられる追加費の分担は未定。都は立候補時に予算の不足分を補塡すると保証しており、厳しい交渉が予想される。
 もし大会を中止する場合、早ければ早いほど無駄な支出を避けられる。ただ開催都市から提案すれば、費用負担を巡ってさらに不利な立場に立たされるとの見方もあり、難しい判断となる。
 延期は東京都の組織体制にも影響している。都の五輪・パラ準備局の職員は約四百六十人。さらに組織委に約八百五十人の職員を派遣しており、総数は都庁の本庁舎で働く職員約一万人の一割以上にのぼる。
 計画では今夏以降、順次縮小され、福祉や街づくりなど各部局に戻るはずだった。新型コロナの危機を限られたマンパワーで乗り切れるのか。五輪開催の行方は都政全体の人繰りにも関わってくる。 (岡本太)

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