間の悪いレジ袋有料化 コロナで使う機会増えたのに

2020年6月24日 05時57分

飲食店のテークアウトで使われるレジ袋=津市内で

 コンビニエンスストアなどで無料配布されてきたプラスチック製のレジ袋。容器包装リサイクル法に関する経済産業省などの省令改正で7月1日から有料化されるが、何とも間が悪い。コロナ禍でレジ袋が活躍する場面が増えたからだ。プラスチックごみ(廃プラ)の削減というお題目もあるが、レジ袋が占める割合はごく一部だ。今回の有料化をどう考えたらいいか。 (榊原崇仁)
 省令が改正されたのは昨年末。全国の小売店にレジ袋有料化が義務付けられる。レジ袋の価格や売り上げの用途は店側が決めることができる一方、有料化を怠った場合は50万円以下の罰金が科されるようになった。コンビニ大手各社は1枚3~5円にすると発表しており、経産省資源循環経済課の末藤尚希課長補佐は「スーパーもそれくらいの価格。他は業種によってやや幅がある」と語る。
 ただ、この有料化、何とも間が悪い。これまでもレジ袋はごみ袋として使われることが多かったが、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、使用済みマスクやティッシュをレジ袋に入れて封をした上、地域指定の袋などに入れるよう求める自治体が出てきた。
 そのうちの一つが大阪府高槻市で、市清掃業務課の片山護主査は「カラスや猫にごみを荒らされても、マスクなどが散乱しないようにするためです」と語る。
 有料化を見送り、今まで通りレジ袋を無料配布するケースもある。牛丼チェーンの吉野家は、動植物由来のバイオマス資材を25%以上含む有料化対象外のレジ袋を提供するという。企画本部の寺沢裕士氏は「コロナ対策として、持ち帰り客の中には店内に極力滞在せず、他の人と接する時間を減らしたいと考える方がいる。レジ袋の要不要を聞く作業を省けば滞在時間を減らせる」と語る。
 北海道を中心にしたコンビニ「セイコーマート」を運営する「セコマ」も無料配布を続ける。広報担当者は「コロナ禍で家計負担が増えた上、来店時にはマスクの着用などをお願いしている。さらにお願いをする時期ではない」と語る。
 レジ袋の代替策としてはエコバッグがある。しかし食料品の汁漏れで汚れやすいなど、衛生面の問題がある。福岡県全域で事業展開する「エフコープ生活協同組合」が行ったアンケートでは、エコバッグを洗ったことがないと答えた割合は51%に上った。
 一方で米東部ニューハンプシャー州は3月、コロナ対策のために食料品店でプラ製か紙製のレジ袋のみ使用を認めると発表した。東部メーン州もプラ製レジ袋を禁止する法律を留保し、発効時期を来年1月に延期した。繰り返し使うエコバッグの場合、そこに付着したウイルスから感染が広がる懸念があるという。
 そんな中で今回の有料化をどう考えたらいいのか。
 東京農工大の高田秀重教授(環境化学)は「レジ袋はボロボロになりやすく、海洋汚染を起こしやすい。排出規制を行うことには意味がある」と述べる一方、廃プラの排出抑制という点で言えば「レジ袋の問題だけでは済まない」と語る。
 廃プラの国内排出量は年間900万トン強に上る一方、レジ袋の分は20万~30万トンだけだ。他のプラスチック製品も削減してこそ、という話だが、高田氏は「メーカー側は『レジ袋の削減は受け入れるからペットボトルや容器といった他の製品まで規制が及ばないようにしてほしい』と考えているのではないか」と分析した上、こう訴える。「生活様式の見直しを迫られたのがコロナ禍。これを機に廃プラの根本的な削減方法も改めて議論すべきだ」

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