原発県民投票 8万7000人の思い届かず 条例案否決 知事「示唆に富む点も」

2020年6月24日 07時27分

県民投票条例案に対する各会派の討論を聞く大井川知事=県議会で

 県議会は六月定例会最終日の二十三日の本会議で、日本原子力発電東海第二原発(東海村)の再稼働の賛否を問う県民投票条例案を賛成少数で否決した。約八万七千人の県民が署名して求めた県民投票は、最大会派のいばらき自民などの反対で実現しないことになった。(宮尾幹成、鈴木学)
 挙手による採決では、森田悦男議長(自民)を除く五十八人のうち、自民(四十一人)、国民民主系の県民フォーラム(五人)、公明(四人)と無所属議員三人が反対。賛成は共産(二人)、立憲民主(一人)と無所属の本沢徹氏(鉾田市・茨城町・大洗町)、中村勇太(はやと)氏(古河市)の五人だった。
 条例案への賛否を一貫して明示しなかった大井川和彦知事は本会議後、「県議会の議論はいろいろ示唆に富む点があった。分析して今後の施策につなげたい」と報道陣に述べた。「今回の否決が住民投票という選択肢を全て消すことにはならない」とも語った。
 採決に先立つ各会派の討論で、自民の飯塚秋男氏(下妻市)は「二者択一の投票は県民の間に大きなしこりを残す」などと反対理由を説明。県民フォーラムの斎藤英彰氏(日立市)も反対の討論に立った。
 共産の江尻加那氏(水戸市・城里町)と立民の玉造順一氏(水戸市・城里町)は賛成討論。無所属の中村氏も賛成意見を述べた。
 本会議前に開かれた議会運営委員会では、玉造氏が条例案の継続審査を本会議に諮るよう提案したが、受け入れられなかった。
 条例案は、住民団体「いばらき原発県民投票の会」が法定必要数の一・七八倍に当たる八万六千七百三筆の署名を添えて直接請求し、知事が八日開会の六月定例会に提出。十八日、防災環境産業と総務企画両委員会の「連合審査会」での参考人質疑を経て、防災環境産業委が賛成少数で否決した。実質的な審議はこの一日だけだった。

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