株式会社 金冠堂

2020年7月8日 12時35分

女優・宮﨑香蓮が老舗の企業をご紹介します!

女優・宮﨑香蓮が、インタビューから原稿の執筆まで全てを手掛ける連載企画「大人の社会科見学」。今回は夏の風物詩、虫さされの薬「キンカン」(販売名:キンカン 第2類医薬品)を製造販売している株式会社金冠堂へお邪魔し、社長直々にお話をいただきました。

「キンカン」って果物の「金柑」じゃないんです!

 金冠堂の看板商品「キンカン」は創業者の山﨑榮二氏が開発した薬で、大正時代に京城(現在のソウル)で4年もの年月をかけて生み出したものです。海軍で衛生兵を務めていた榮二氏は除隊後、「人のためになる薬を何か開発できないか?」と考えました。そして培った知識を駆使して、完成したのが「キンカン」です。最初はやけどの薬として誕生しました。

左)若者世代に訴求するために黒いパッケージでデザインされた「キンカン ノアール」(20mL)。中身は通常のキンカンと同じだそうです。右)100mLのほか20mL、50mLと三種類の容量がそろった「キンカン」(販売名:キンカン 第2類医薬品)。

 当初「不思議な効き目」という意味を込めて「奇効」と言う名前で売り出そうとしたのですが、ちょうどその頃、京城の塚から「金の冠」が出土され話題になっていました。このニュースは縁起がいいと、研究所の名前を「金冠堂」と名付け、後に製品も「キンカン」となりました。製品名の由来は果物の金柑ではなく「金の冠」だったんですね!

金冠という漢字を使った三角形のロゴを覚えている方も多いのでは。2006年にアルファベットのKをあしらったロゴに統一されました。

 1930年に東京へ戻り、世田谷の三宿に工場を建て、キンカンの販売を開始します。しかし発売当初はあまり売れなかったそうです。
 その後、第二次世界大戦が始まり、榮二氏は軍に売り込みに行きます。そして1941年12月8日に、やけどの薬として軍での採用が決まりました。この日は奇しくも榮二氏の誕生日でもありました。
 三宿の工場は陸軍の管轄下となり、キンカンは「癒創液」という名前で配給物資として各家庭にも配られました。これが「キンカン」が世に広まったきっかけのひとつです。当時は虫さされの薬ではなく、やけどや傷の薬として利用されていました。
 全国的に配給される予定でしたが、空襲の影響で京都までしか届かなかったそうです。また1945年には、空襲で三宿工場が全焼。終戦後、三軒茶屋に本社と工場を再建しました。
 キンカンが広まったもうひとつのきっかけが、戦後に作られたCMソングです。誰もが知っているCMソングは、作詞を藤浦洸氏が、作曲を服部正氏が担当したもの。当時、ヒットメーカーとして知られていた二人は、二代目の社長・山﨑寅氏の大学の先輩だったそうで、そのよしみでCMソングを作ってもらえたとか。昭和30年代には、このCMソングでラジオやテレビでの宣伝に力を入れていきました。当時は売上の半分を宣伝に使っても、それ以上に売上が増えていったそうです。

「変えなくていい」キンカンの愛され続ける秘訣

 時代に合わせパッケージを変えたり、持ち運びしやすいサイズの容器にしたりと、細かな変遷はありますが、有効成分は開発当初から90年以上変わっていない「キンカン」。

代表取締役社長の山﨑充氏。音楽にも造詣が深いことで知られています。

 現在の社長・山﨑充氏に「なぜ変えないのか?」と聞くと「いい薬は変えなくていいから」という答えが返ってきました。しかし歴史ある薬を守りながらも、新製品の開発にも力を入れています。
 金冠堂は「皮膚の専門家であり続ける」という基本姿勢は変えず、より多くの人に「キンカン」という名前を目にしてもらうため、便利な製品を積極的に開発しています。現在では虫よけ製品や塩分補給用のタブレットなど、夏を快適に過ごすための製品が、ラインナップされています。

左から、猛暑対策の「キンカンの雪塩®タブレット」、冷感成分も配合した「キンカン 服の上から虫よけミストD」、パウダー入りの「キンカン 虫よけスプレーP」。夏に役立つ製品を多数展開しています。

 キンカンを始めとする医薬品で、世界中の人々の命を救うこと。それが「金冠堂」の大きな目標です。海外での販売も少しずつ始まっています。その際の表記は「KINKAN」。「特化したもの」そして「便利な製品」を作り出し、人のためになることを積み重ねてきた「金冠堂」。「人のためになる薬を」という思いで生まれた「キンカン」は、今も大切に引き継がれています。世代を超え愛され続けている秘訣はこの思いにあるのかなと、取材を通じて感じました。

取材後記
今回は社長さんにインタビュー!ということで、会社について生の声を聞くことができました。金冠堂では社員さんの教育に際し「かゆいところに手が届く人に」という目標を立てているそうです。こう聞くと、上下関係が厳しい会社なのかなと思いましたが、社長自ら「役職はただのあだ名なんです」とおっしゃっていました。社員との関係、社員同士の関係を閉鎖的なものにしたくないという思いがあるそうです。こういった社内の柔軟な体制が、ユニークな新製品開発やPR活動にもつながっているのかなと感じました。社長の山﨑充さん、社長室の錦野充宏さん、総務部の横尾賢則さん、コロナ禍で大変な状況の中、取材にご協力下さり、ありがとうございました!

DATA 株式会社 金冠堂
大正15年(1926年)に創業した金冠堂。昭和18年(1943年)に改組し株式会社となる。株式会社金冠堂は医薬品の製造販売及び製造を行う会社。販売事業は子会社である株式会社キンカンが担当している。
金冠堂のホームページ https://www.kinkan.co.jp/

PROFILE
宮﨑香蓮(みやざき かれん)
1993年11月20日生まれ。2006年「第11回全日本国民的美少女コンテスト」演技部門賞を受賞し、女優として活動中。NHK 大河ドラマ『花燃ゆ』ではヒロインの幼馴染・入江すみ役として出演する など、いま活躍を期待される若手女優の代表格。
■NHK Eテレ「おもてなしの即レス英会話」ドラマパートレギュラー(早苗役)
■テレビ朝日「遺留捜査」滝沢綾子役レギュラー
■島ぜーんぶ映画祭第11回沖縄国際映画祭地域発信型 出品作品「BENTHOS」主演
■舞台「里見八犬伝」出演(浜路役)

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