地上イージス国内配備の撤回決定 河野防衛相「代替地見つけるのは困難」

2020年6月25日 13時57分

自民党本部で開かれた国防部会などの合同会合で発言する河野防衛相(左)。「イージス・アショア」配備計画撤回を明らかにした=東京・永田町で

 河野太郎防衛相は25日、自民党国防部会などの合同会合で、秋田、山口両県への地上配備型ミサイル迎撃システム「イージス・アショア」の配備計画の断念を24日の国家安全保障会議(NSC)4大臣会合で決定したことを明らかにした。河野氏は会合後、記者団に「代替地を見つけることは困難だ」と話しており、地上イージスの国内配備自体が撤回されることになった。 (山口哲人)
 河野氏は会合で、迎撃ミサイル発射後に切り離される約200キログラムのブースター(初期加速装置)を、陸上自衛隊むつみ演習場(山口県萩市など)内に確実に落下させるには、改修に2200億円以上の費用と10年以上の期間がかかる見通しであることが5月下旬に分かったと説明。防衛省の不手際を陳謝した。
 河野氏は、ミサイル防衛について、当面は海上自衛隊のイージス艦と地対空誘導弾パトリオット(PAC3)で対応するとした。中長期のミサイル防衛については、北朝鮮の弾道ミサイルや中国が海洋進出を強めている東シナ海情勢に触れ「今から検討していただく必要がある」と自民党内でも検討するよう求めた。
 自民党は2017年に、敵対国に攻撃を受ける前に拠点を破壊する敵基地攻撃能力に関する議論を政府に求める提言をまとめている。党安全保障調査会長の小野寺五典元防衛相は25日の党会合で「どのような体制が必要か、もう一度議論する」と表明。来週から党プロジェクトチームで検討を進める。
 河野氏は15日に秋田、山口両県への配備計画の停止を発表した。河野氏によると、安倍晋三首相が議長を務め、中長期的な戦略を策定する24日のNSC4大臣会合で、両県への配備計画を断念することを決めた。
◆2年半何だったのか ー 秋田知事
 政府が地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」の秋田、山口両県への配備計画撤回を決めたことを受け、秋田県の佐竹敬久知事は25日、県庁で記者団に「県民の不安が無くなって良かった。ただ(導入を閣議決定してからの)2年半は何だったのだろうか」と述べ、政府への不信感をあらわにした。
◆早急な決定に感謝 ー 山口知事
 山口県の村岡嗣政知事は25日、「イージス・アショア」配備計画の撤回決定について、県庁で記者団に「最終的にどうなるのか中ぶらりんだった。早急な決定に感謝する」と述べた。

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