外壁に巨大「オンナノコ」 東京ビエンナーレで先行展示始まる

2020年6月26日 06時35分

築後半世紀以上のレトロビルに描かれた「Landmark Art Girl」=千代田区神田小川町で

 昭和のオフィスビルの外壁が、巨大アートのキャンバスに変わった。新型コロナの影響で、今夏の開催が一年後に延期された国際芸術祭「東京ビエンナーレ」の先行プロジェクトが神田小川町で始まった。芸術祭のテーマ「見慣れぬ景色へ」を表現している。 (浅田晃弘)
 高さ九メートル、幅十一メートルの「Landmark Art Girl」。漫画の技法を取り入れた女性の壁画を描き続けているアーティストのHogalee(ホガリー)さんが一九六三年に完成した十四階建ての「宝ビル」に描いた。
 「オンナノコ」と呼ぶキャラクターは「メディアで消費対象となってしまうような『女の子』ではなく、時代を映す鏡となる『ミューズ』としての女性像」だという。背景のカラフルな円は、東京ビエンナーレのロゴマークを元にした。
 隣接するビルの解体であらわになったコンクリートの外壁に、プロジェクターで投影した下絵を写し、ペンキ塗料とブラシで三週間ほどかけて仕上げた。
 小川町は、スポーツ用品店や書店が軒を連ねる。にぎやかなかいわいも、裏通りに入ると個人店が健在で下町の雰囲気が残る。ホガリーさんは街の様子を知ろうと周辺を歩いた。気が付いたのは、看板に黄、青系の色が多いこと。作品の配色に生かしたという。

作者のHogaleeさん=東京ビエンナーレ提供(撮影・ゆかい)

 東京ビエンナーレは、江戸時代からの街の記憶を伝える千代田、中央、文京、台東の四区で、公共空間や学校、寺社、歴史的建造物などを会場に隔年で開催する。初開催の今夏は、国内外の六十組以上が作品を発表する予定だった。ほとんどの企画は一年後に延期したが、機運を高めるため、一部作品は今夏から秋にかけて先行展示する。
 宝ビルの壁画は、この第一弾。東京ビエンナーレ事務局の担当者は「ランドマークとなる壁画で街の人の気分を明るくさせたり、コミュニティーの媒介になったりできれば」とコメントした。

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