都知事選は5候補だけじゃない 新人17人、それぞれの戦い

2020年6月26日 13時59分
 18日に告示された東京都知事選(7月5日投開票)には過去最多の22人が出馬し、街頭演説をしたり、約1万4000カ所の掲示場にポスターを貼ったりと選挙活動を展開する。主要5候補を除く、多彩な新人候補17人を追った。 (梅野光春)

多くの候補者のポスターが貼られた都知事選の掲示板=東京都港区で

◆「報道は不平等」/「都民税ゼロに」/「ポイ捨てに罰金」

 都知事選は前回に続き2度目の出馬となった諸派七海ひろこさん(35)は「報道が主要5候補に偏り、平等でない」とし、25日に選挙戦から撤退を表明した。都選挙管理委員会によると、告示日の午後5時を過ぎると立候補取り下げはできず、有権者が投票した場合は有効になる。
 在日コリアンなどへのヘイトスピーチを繰り返した団体「在日特権を許さない市民の会」(在特会)の元会長、諸派桜井誠さん(48)も前回に続き出馬。新型コロナ対策で、党事務所から演説をネット中継し都民税ゼロなどを訴える。
 無所属の込山洋さん(46)は「美しい心を持った人に政治を託して」と選挙カーで各地を回る。JR新橋駅前でごみ拾いを続けて1年。ポイ捨てへの罰金10万円などの政策を訴える。かつて都知事選に出馬、昨年、港区議になったマック赤坂さん(71)の秘書も務めた。

◆山口から/荒れた過去も隠さず/4度目の挑戦

 山口県宇部市から参戦、「消費税廃止」が公約の無所属竹本秀之さん(64)。都内の消費者が負担する消費税分を、都内に本社のある企業に地方法人税として賦課させるという。「コロナで疲弊した中小企業や消費者のためになる」と主張し、選挙カーを走らせる。
 「スーパークレイジー君」こと諸派西本誠さん(33)は中学生時代から荒れていた過去を隠さず街頭演説。「初めは売名のために立候補したが、選挙に行ったことのない若い人が期日前投票したとSNSで報告してくれる。必死に戦いたい」。待機児童の解消や犬猫の殺処分ゼロを訴える。
 無所属関口安弘さん(68)は「ひめじけんじ」などでの届け出も含め都知事選4度目の挑戦。洪水対策など防災の重要性を主張する。「選挙では組織と金がないと勝負にならないのが現実。だが、政策を見てもらえれば票を伸ばせると思う」と駅頭でビラを配る。

フェースシールドとマスクを着け、候補者演説の準備をする運動員ら=新宿区で

◆「目覚めよ日本!!」/無名のポスター/作り込んだ政見放送

 無所属押越清悦(せいいち)さん(61)は「戦後、完全には独立していない日本を、都民が先頭になって変えていくべきだ」と主張。「目覚めよ日本!!」を合言葉に、SNSでの発信やポスター貼りに力を入れている。
 ともに諸派の服部修さん(46)と斉藤健一郎さん(39)は、新型コロナ対策の自粛は過剰とする実業家堀江貴文さんの提言を都政に生かそうと政治団体「ホリエモン新党」から出馬。ポスターに自身の名前を記さない珍しいスタイルで、同団体から立候補した立花孝志さん(52)と街頭に立つ。
 前回都知事選の政見放送で音声に修正が入り、話題になった諸派後藤輝樹さん(37)は「性的なことを放送で言えない理由を考えてもらい、若い世代に投票に興味を持ってほしかった。今回の放送も作り込んだ」。支持者との集会では、落ち着いた声で理念を語る。

◆徒歩で遊説/「都は夜の街を虐待」/「コロナ治療薬を発明」 

 JR山手線沿いを主に徒歩で遊説する無所属沢紫臣(しおん)さん(44)は、性の区別なく寄り添って暮らせる生活を提案。「風が吹けばおけ屋がもうかるではないけれど、巡り巡って少子化対策になると思う」と話す。
 動物や児童の虐待防止を訴える諸派市川浩司さん(58)はJR中央線などの駅前で街頭演説。都の新型コロナ対策について「夜の街で働く人を虐待している」と批判する。
 無所属石井均さん(55)は選挙公報やSNSで「新型コロナの治療・予防薬を発明した」と主張。厚生労働省は「把握していない」とするが、石井さんは「いま特許を申請している。効果に自信がある」。

街頭で遊説活動をする候補者と「肘タッチ」をする男性=町田市で

◆「未来の薬局を」/愛知の自宅で/「コロナは風邪」/人口の分散訴え

 薬剤師の無所属長沢育弘(やすひろ)さん(34)は選挙公報で、処方箋なしで買える医薬品を増やすなど「未来の薬局を目指す」と主張する。
 唯一、選挙公報に掲載がない最年少候補者の無所属牛尾和恵さん(33)は「新型コロナの影響で明らかになった経済システムの制度疲労をなおそう」と出馬。愛知県稲沢市の自宅に滞在し、演説やポスター貼りの予定はないという。
 昨年の参院選千葉選挙区で選挙を経験し、都知事選初出馬の諸派平塚正幸さん(38)は「コロナはただの風邪」と主張。街頭で「新しい生活様式は不要。PCR検査も感染症対策には無意味」と訴える。
 都知事選は3度目の無所属内藤久遠(ひさお)さん(63)は選挙戦後半にビラ配りや街頭演説を強化する方針。「新型コロナで東京一極集中の危険性がはっきりした」と人口分散を主張している。

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