解除後に増え続ける感染者、その感染時期は…「東京アラート」効果に疑問の声

2020年6月27日 06時00分

11日まで「東京アラート」を示す赤色だった東京都庁。24日夜は医療従事者への感謝を示す青色にライトアップされた

 東京都内で新型コロナウイルスの感染に歯止めがかからない。警戒を呼びかける「東京アラート」が解除された翌日の12日以降は、11日以前と比べ、感染が確認された人の数が倍増した。その多くは東京アラートの発令中に感染したとみられる。「東京アラートって効果あったの?」。都民からはそんな声も出ている。(中沢誠、原田遼)

◆「都庁が赤くなっただけ」

 東京都は26日、新たに54人の感染者が確認されたと公表した。先月下旬の緊急事態宣言解除後では最多となった24日の55人から3日続けて50人前後の高水準が続く。

6月2日、「東京アラート」が発令され赤くライトアップされた東京都庁舎


 24日夜。赤く照らされなくなった都庁の前を行き交う人からは、東京アラートについて「都庁が赤になるだけ」「何の意味もない」と冷めた反応が返ってきた。
 東京アラートは感染拡大の兆候があった場合、都民や事業者に注意喚起するのが狙い。都は2~11日、感染が拡大傾向にあるとして、都庁やレインボーブリッジを赤くライトアップした。仕事帰りの司法書士、吉田桂子さん(53)は「注意喚起というなら、感染場所などもっと詳しい情報を教えて」と注文を付ける。

◆小池知事「役目果たした」

 都は11日、東京アラートの運用を事実上停止した。感染が落ち着いたと判断したからだ。小池百合子知事は「アラートの役目を果たした」と評価し、「これからは自らの力で守る自衛の時代。自粛から自衛の局面だ」と述べた。
 コロナ対策が「一段落した」として、12日には知事選への再選出馬を表明した。ところが、感染が確認された人の数は増加傾向となっている。

◆”夜の街”を差し引いても増加

 6月12~25日の2週間は計500人で、アラート解除前の5月29~6月11日の2週間の計252人から倍増。今月から新宿区でホストクラブの集団検査を始めた影響もあるが、それを差し引いても解除前の2週間と比べ、183人が増えた計算だ。
 都は東京アラートの発令に当たり、
(1)直近7日間平均の新規感染者数が20人以上
(2)週単位の感染者増加比が1倍以上
(3)同期間の感染経路不明率が50%以上
の3つの指標を主な目安としてきた。指標を見てもアラート解除後の方がむしろ悪化している。

◆対策模索…「自衛」頼み

 数だけでなく、感染の時期も見逃せない。ウイルスの潜伏期間などを考慮すれば、12~25日に確認された500人の多くは、それぞれ2週間ほど前に感染したとみられる。都がアラートを発令し、警戒を呼び掛けた時期と重なる。
 都総合防災部の担当者は「数字がうまく表れなかった(減らなかった)のは残念だが、東京アラートを認識してもらい、一定の効果はあったと思う」と話す。「今は都民に注意していただきたいとき」と危険水域にあることを認めるが、東京アラートに代わる新たな対策は検討中とし、都民の「自衛」頼みの状況だ。

関連キーワード

PR情報

社会の新着

記事一覧