背後に米軍特権か 基地内パワハラ、日本側はチェックできず 「国は米軍に声を上げるべき」

2020年6月27日 06時00分
  在日米陸軍基地「キャンプ座間」(神奈川県)の消防隊に所属する日本人従業員の男性(35)が、上司らから約2年半にわたり嫌がらせや暴言、暴力を受け、うつ病になったとして昨年3月に労災認定されたことが分かった。在日米軍基地内のパワハラについて、基地問題に詳しい沖縄国際大の前泊博盛教授は、在日米軍に国内法が適用されないなど米側の特権を認める構造が、問題の背景にあると指摘する。
 日米地位協定や関連の法令によると、在日米軍基地で働く日本人従業員は、日本の防衛省が雇用するが、使用者は米軍。在日米軍基地内には労働基準監督署をはじめ日本の行政機関は許可なく立ち入れない。前泊教授は「日本側は米軍に物を言えず、労働環境をチェックする能力はない。パワハラなどの実態を把握するのは難しいのが現状」と話す。
 国内では今月、事業主にパワハラ防止を義務付ける法律が施行され、防止に向けた機運は高まる。防衛省も法施行に合わせ、「在日米軍従業員のためのパワハラ防止方針」を策定した。
 だが、前泊教授は「日本の規則があっても米軍のルールが優先され、実態が伴わないケースも多い」と指摘。実効性を担保するため「国は雇用主として従業員の権利を守る姿勢を示し、米軍に、しっかり声を上げるべきだ」と注文する。(曽田晋太郎)

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