<6月の窓>難病の彼と生涯ともに

2020年6月27日 06時00分
 昨年9月に婚約した時はまさか、こんな世界になると思わなかった。彼には進行性の腎臓の難病がある。
 「もし、コロナにかかったら…」。埼玉県の会社員の女性(50)は不安を感じながらも彼の元へ通い続ける。
 建設会社で働く52歳の彼とは2年前に同じ趣味のグループで知り合った。
 「上の者が下を力ずくで抑えるのが大嫌い」という、そんな正義感の強い真っすぐな人柄に引かれた。
 「平均寿命まで生きられないよ。それでもいい?」
 結婚願望はなかったのに、彼の言葉に「そんなこと構わない」と自然に答えていた。互いに50代で初婚となる。
 仕事の関係で、埼玉県と茨城県に住む。2人とも在宅勤務ができない職場なので、感染しないよう細心の注意を払って通勤する。
 昨年末に女性が発熱した際に病院に付き添ってくれた彼がインフルエンザにかかったことがあったが、難病で薬がすぐには飲めずに1週間寝込んだ。この先、新型コロナのワクチンが開発されても、彼は予防接種ができない可能性がある。
 「私がうつしてしまうことが怖い。でも…」。矛盾する思いを抱えながら、一人暮らしの彼が心配で、今は週の大半を彼の元で過ごす。
 幸せになれると言われるジューンブライドの季節。婚約指輪=写真(本人提供)=をもらった日から2年後と決めた結婚は来年9月の予定だが、それを前倒しすることも考えている。
 「1日でも長く、彼のそばにいたいから」 (奥野斐)

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