名作65点の誕生の秘密、所蔵品中心に読み解く 県近代美術館で企画展、来月11日から

2020年6月27日 07時15分

中村彝「静物」(1919年)=いずれも県近代美術館所蔵

 名作誕生の裏側に迫る企画展「名作のつくりかた」が七月十一日、県近代美術館(水戸市千波町)で開幕する。所蔵品を中心に、絵画や彫刻など六十五点を前・後期に分けて展示し、構図や技法から作品の魅力を読み解く。
 水戸市出身で大正期に活躍した洋画家の中村彝(つね)(一八八七〜一九二四年)の「静物」は、木製テーブルの上から俯瞰(ふかん)する構図が、「近代絵画の父」と称される画家ポール・セザンヌの影響を感じさせる。実際に中村が描いたテーブルやポットは同館に寄贈されており、同展では「静物」の構図を実物で再現する。
 戦後の一時期、土浦市に居を構えた日本画家の浦田正夫(一九一〇〜九七年)の「砂丘」は、神栖市波崎の海岸に出掛けた際の思い出から着想された。下絵と完成品を見比べると、地平線の位置が中央から上に移動し、手前に砂丘が広がる大胆な構図に変化したことが分かる。

浦田正夫「砂丘」(1971年)

 本県ゆかりの横山大観(一八六八〜一九五八年)の「流燈(りゅうとう)」(前期のみ)と、菱田春草(一八七四〜一九一一年)の「落葉(おちば)」(後期のみ)は近代日本画の傑作。巨匠たちの細やかな筆致を堪能できる。
 会期は九月二十二日まで。前期は八月十六日まで、後期は同月十八日から。原則月曜休館。入場料は一般七百三十円、満七十歳以上三百六十円、高校・大学生四百九十円、小中学生二百四十円。土曜は高校生以下無料。
 問い合わせは同館=電029(243)5111=へ。(佐藤圭)

関連キーワード

PR情報

茨城の最新ニュース

記事一覧