和やかムードも認識に差 リニア工事でトップ会談

2020年6月27日 07時33分

川勝平太知事との会談を終え、記者の質問に答えるJR東海の金子慎社長(右)=県庁で

 川勝平太知事とJR東海・金子慎社長によるリニア中央新幹線の南アルプストンネル(静岡市葵区)を巡るトップ会談が二十六日、行われた。金子社長からの四度目の要望でようやく実現。職員も社員も排し、県庁知事室に二人だけの空間で和やかに進んだが、知事からは事実上、ゼロ回答だった。会談の最終盤、焦点のヤード(作業基地)整備を巡り、六月中の着工同意に可能性があるかのような知事とのやりとりがあり、会談後の県庁はやや混乱した。(五十幡将之、牧野新)
 午後一時二十五分、県庁本館前に黒塗りの車が到着した。グレーのスーツに金色のネクタイ姿の金子社長。玄関前まで出向いた川勝知事は笑顔で出迎えた。金子社長は検温と手指の消毒を済ませ、川勝知事は庁舎内の絵を紹介しながら知事室まで案内した。
 金子社長は四月下旬の国土交通省の有識者会議で県を批判した発言をあらためて陳謝し、会談がスタート。リニアの必要性や意義を説明し、開始二十分、お茶に口を付けると、川勝知事は「これは大井川の水で作った牧之原台地のお茶」とすかさず紹介した。その後も知事は時折「なるほど」「そうですね」とうなずくなど、終始、融和ムードで進んだ。
 最終盤、ヤード整備への着工同意を再三、粘り強く求める金子社長に対し、川勝知事は「(県自然環境保全)条例にかけるだけの話」と回答し、両者の認識に齟齬(そご)が発生。金子社長は何度も、発言の真意を確認しようと試みたが、詰め切れないまま終了した。
 金子社長は報道陣の取材に、六月中にヤード整備に着工できる可能性が残されているとの認識を示し、そのまま帰路についた。
 川勝知事は、大井川流域十市町と事前に合意した「ヤード整備は県として許可していない追加工事。有識者会議の結論を待つ」との見解を踏まえ、報道陣から着工を認めるのかと問われ、あやふやな回答。時間をおいて再度、報道陣の前に姿を見せ「本体工事と一体。認められない」と明言した。

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