都区制度、財源配分は常に悩みの種<都政のいま>

2020年6月28日 05時50分
東京都庁舎

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 東京都と23特別区の関係は、他の道府県と異なる「都区制度」という枠組みで決められている。消防や上下水道の設置管理など広域行政を都が、身近な行政を区が担う仕組みだ。
 23区は戦後、都の「内部団体」と位置付けられた。2000年の地方自治法改正でようやく他の市町村と同じ「基礎自治体」になったが、「一体的な都市運営」を担う都が政策の主導権を握るケースが多く、都と区の関係は時にぎくしゃくする。
 代表的なのが、都が財源を区側に配る「都区財政調整制度」だ。都が法人住民税と固定資産税などを区に代わって徴収し、税収が特定の区に偏らないように配分する仕組み。全国の自治体の財源を補う地方交付税の23区版のようなものだが、区側に配分されるのは55%。残り45%は広域的な行政に充てるため都が自分の財源とする。
 今年1月、児童相談所の区への移管に伴い、区側が財源の配分比率を増やすよう求めたのに対し、都は難色を示し協議が難航。最終的に、区側の配分を0・1ポイント増やして55・1%(20年度は1兆128億円)としたが、積算根拠のない政治的妥協の産物で、一部区長からは「都と区の考え方の違いは埋まっていない」との声が漏れた。
 07年度から「都区のあり方検討委員会」を設けて区域再編も含めて協議してきたが、10年度を最後に中断。今後、一体的な都市運営と地方分権推進のバランスをどうとるのか。今秋にも行われる大阪都構想の住民投票が、東京の特別区のあり方にも一石を投じる可能性がある。(原昌志)

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