<新型コロナ>感染防止へ金属加工の技 手触れずに開けるグッズ開発 川崎・幸と横浜・鶴見の町工場連携

2020年6月29日 07時04分

「町工場にできることを考えた」と語る大村仁志さん=川崎市幸区で

 銘板と呼ばれる金属プレートを製造する川崎市内の町工場が、手を触れずにドアノブのレバーなどを操作できる金属製の便利アイテムを開発した。横浜市の町工場も連携した。ものづくりを通じて、新型コロナウイルスの収束に貢献したいとの決意を込め、商品名はずばり「コロナに負けない手(で)!!」。一般販売に加えて、医療や介護の現場には無償で配布している。 (石川修巳)
 開発したのは、抗菌効果があるとされる銅製のドアオープナー。大きさは縦四センチ、横八・一センチ、厚さ二・五ミリ。リングに人さし指を通して握り、突起部分を使ってドアレバーを押し下げたり、内鍵のサムターンを回したりできる。
 ほかにもボタンを押す、スマートフォンを操作するなど、手を触れずにできる「五役」を想定。スマホ画面の傷つきを防ぐスポンジなども付属している。
 「私たちにマスクやフェースガードは作れないけれども、金属加工が得意な町工場の視点で、何ができるかを考えてきた」。発案した大村ネームプレート研究所(幸区鹿島田)の社長、大村仁志さん(46)はそう説明する。
 五月下旬の販売開始後、これまでの注文は千五百個にも。反響は予想を超え、販売を一時停止するほどの人気ぶりという。
 同社はフェイスブックで、試作を重ねた開発経緯を詳述するとともに、製作データも公開してきた。「目的は利益ではなくて、ものづくりで新型コロナを収束させたい。それが第一義ですから」と大村さん。
 町工場によるものづくりの連携も呼びかけて、仕事でつながりのあった時吉工業(横浜市鶴見区矢向)が仕上げ加工を担当。川崎の町工場発の活動に共感が広がり、富山や神戸などの町工場からも問い合わせが寄せられたという。
 連携を模索する背景には、町工場の将来像への危機感がある。「腕のいい職人が廃業すれば、機械があっても、いいものはつくれない。横の連携とともに、どう技術を継承していくかが課題」と強調する。
 ドアオープナーの商品化に向けて、当初は四つの町工場が参加。現在は時吉工業との二社だけになったが、大村さんは「場所も業種も、得意分野も違う会社同士が連携すれば、新しいものを生み出せる可能性を感じた。ものづくりの連携を今後も進めたい」と話している。
 一個八百円。問い合わせは、大村ネームプレート研究所=電044(522)3322=へ。

大村ネームプレート研究所が販売するドアオープナー(同社提供)



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