ポイント還元、6月で終了 見えぬ消費喚起 キャッシュレス普及には効果

2020年6月30日 05時50分

キャッシュレス支払いのポイント還元を知らせる店先の掲示=29日、東京都板橋区のハッピーロード大山商店街で

 クレジットカードや電子マネーで買い物した場合、2%か5%のポイントを還元する政府の事業が30日で終わる。昨年10月の消費税率10%への引き上げに際して導入され、キャッシュレス決済の普及に一定の効果があったが、個人消費を喚起したかどうかは、はっきりしない。事業終了で政府の決済手数料補助がなくなるため、負担増を嫌う企業がキャッシュレス決済から撤退する懸念も指摘される。(妹尾聡太)

◆中小中心に115万店が参加、還元額は3530億円

 菅義偉官房長官は29日の記者会見で、ポイント還元事業について「事業者からは売り上げ確保や顧客獲得、業務効率化につながったという声をいただいている」と評価した。
 還元事業には中小・小規模店を中心に約115万店が参加。4月13日時点の対象決済額は8・5兆円、還元額は3530億円に上った。2019年の国内キャッシュレス決済比率は26・8%まで上昇した。
 現金を介さないため、最近は新型コロナウイルスの感染予防対策としても利用が増加。政府は今後、マイナンバーカード保有者の決済時にポイントを付与するなどキャッシュレス決済の普及策を継続する方針だ。

◆続くマイナス成長、消費の落ち込み防げたのか?

 消費の落ち込みを防ぐという、もう一つの目的を達成できたかどうかについては、政府も言葉を濁す。個人消費が多くを占める国内総生産(GDP)成長率の速報値は19年10~12月期、20年1~3月期とも前期比マイナス。政府は「還元事業の効果のみを抽出し、定量的に把握することは困難」との答弁書を26日に閣議決定した。
 ニッセイ基礎研究所の福本勇樹主任研究員は「購入額が少ないスーパーやコンビニで広まったが、以前からクレジットカード利用が多かった大型店ではあまり効果がなかった」と分析。「今後、手数料負担が増え、キャッシュレス決済から撤退する事業者が出てくるのではないか」と話す。
 還元事業は、事務局を担うキャッシュレス推進協議会(東京)が広告大手の電通に事務を丸投げし、持続化給付金事業と同じ構図と問題視される。経済産業省は19、20年度、計339億円で同協議会に委託。事業は委託費の約9割で電通に再委託され、さらにグループ会社などに作業が外注されていた。

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