レジ袋有料化、マイバッグ浸透は不透明 コロナ危機で衛生面に不安も 

2020年6月30日 05時50分

レジ袋有料化を知らせるポスター=東京都内のローソンで


 7月1日から全国の小売店でプラスチック製買い物袋(レジ袋)の有料化が義務付けられる。プラごみによる環境汚染を避けるのが目的で、政府は繰り返し使えるマイバッグへの切り替えを進めたい考えだが、新型コロナウイルスの流行で衛生面への不安が広がっており、浸透は見通せない。外食大手では規制対象外の素材を使うことでレジ袋の無料提供を継続する動きが目立ち、消費者の混乱を招く恐れもある。(嶋村光希子)

◆プラごみ減らし環境守る活動しっかり

 「プラごみ削減は世界共通の課題。買い物客の負担があり、コストもかかるが環境を守る活動としてしっかり取り組んでいきたい」。そごう・西武の担当者はそう話した。

 深刻な海洋汚染の原因に挙げられるプラごみを巡っては、各国が削減に向けた対策を講じている。日本の場合、レジ袋の有料化は大手スーパーなど一部にとどまっていたが、規制の導入を受けてコンビニや百貨店なども1枚2~5円といった価格設定を打ち出した。

 業界ではマイバッグ持参を促しているが、新型コロナを機に消費者心理には変化も見られる。新宿区のスーパーで買い物していた会社員女性(32)は「不特定多数が来店するスーパーでは、衛生的に気になってマイバッグを使わない。今後もお金がかかってもレジ袋を買うと思う」と話す。

◆小売店は懸念「接客時間が長くなるのでは」

 小売店側にも別の懸念がある。ローソンの担当者は「レジ袋を購入するかどうかや、店員の手でマイバッグに入れて良いかどうかなどを尋ねることで、接客時間が長くなるのでは」と指摘。客とのやりとりが増えることで、感染リスクが高まりかねないことを不安視する。
 一方、厳しい価格競争にさらされる外食の多くは、有料化の対象から外れた植物由来のバイオマス素材を含む袋に変更し、無料提供を継続する方針。吉野家の担当者は、バイオマス原料25%配合のレジ袋に切り替える理由について、汁漏れを防ぐ必要があることなどに加えて「お客さまのマイバッグの衛生面を管理できないため」と説明した。

 日本チェーンストア協会の調査によると、レジ袋の辞退率は2002年の8%から、今年3月末に57%まで上昇するなど、環境意識は着実に高まっている。複数のスーパーの担当者はマイバッグについて「布など洗えるものは定期的に洗って清潔を保ってほしい」と述べ、積極的な利用を呼び掛ける。ただ、義務化当初の対応が小売店と外食産業で異なるため、消費者が戸惑う可能性もある。

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