リアルな出会いの場に 作品投稿サイト「note」 外苑前に拠点

2020年6月30日 07時02分

会員同士がリアルに交流できる広いキッチンとラウンジ=渋谷区神宮前で

 自作のイラストや写真を発信できるインターネット上のプラットフォーム「note(ノート)」が16日、リアルなイベントが開ける拠点を渋谷区の本社近くにオープンさせた。新型コロナウイルスにより大勢が集まったイベントが難しくなり、日常でオンラインを活用する場面が増えている中、あえて「リアルな場」を設けた意図とは。
 noteは「誰もが創作を始め、続けられる」を理念に掲げ、2014年4月に誕生した。基本は無料で登録でき、文章や写真、イラスト、音楽など自由な表現方法で投稿できる。特にコロナ禍で外出自粛が続いた4、5月は利用者が増え、会員登録数は260万人となった。

音響機材を完備した配信用のスタジオ

 東京メトロ銀座線の外苑前駅近くにオープンした拠点「note place」は、コロナ禍の前から計画されていた。利用は会員が対象。天井にカメラを設置した最大200人収容のホール、音響機材を完備したスタジオに加え、キッチンや懇親会ができるラウンジもあり、使い方は自由だ。
 加藤貞顕代表は「オンラインの需要が増えているのは間違いないが、オフラインは人と人との関係性が深まり、一つ一つの体験の重みは増す」と考える。また、オンラインでイベントなどを配信しようとしても一から環境を整えるのは難しく、配信ができる場は必要だ。
 フリーマーケットアプリ「メルカリ」も今月、新宿にリアル店舗をオープンするなど、オンラインでのサービスを手掛ける会社が実際に足を運べる拠点を設ける例は続いている。オンラインか、オフラインかの二択ではなく、双方の利点を生かせることがこれからは強みになるのだろう。

オンライン配信のための設備が整った最大200人収容のホール

 noteと資本業務提携する、多くのユーチューバーらが所属する会社「UUUM(ウーム)」の鎌田和樹社長は「動画が100万回再生されても、クリエーターはファンの顔を知らない。リアルなイベントは継続的な活動に不可欠」と、ファンと直接出会うことが作り手にとっても励みになると指摘する。
 加藤代表は「オンラインでは、誰かの投稿へ斜に構えたコメントをするのが『文化』になっているのが課題と思っている」と話す。逆にリアルな場に集うのは好意的な人たち。noteが大事にする「クリエーターにとって心地よい場」にできると考えている。
 文と写真・神谷円香
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