敵基地攻撃能力は「必要」、自民の検討チームで積極論 公明は慎重姿勢

2020年7月1日 05時50分
 自民党は30日、ミサイル防衛に関する検討チームの初会合を党本部で開き、敵基地攻撃能力保有の是非の議論を本格化させた。地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」の配備計画断念を受け、7月中に提言をまとめる方針。与党内では、公明党が議論に慎重姿勢を示しており、調整は難航しそうだ。
 自民党の会合には防衛相経験者ら15人が出席。敵基地攻撃能力については、中谷元・元防衛相が「海外で武力行使しないとの過去の答弁は大事にするが、抑止力としては必要だ」と保有に前向きな考えを示した。敵基地攻撃に転用可能な長射程のミサイルなどの装備を充実させるべきだとの指摘もあった。
 一方で、岩屋毅前防衛相は「一足飛びに保有を考えるのは論理の飛躍だ」と慎重意見を述べた。
 座長の小野寺五典元防衛相は会合後、北朝鮮による迎撃困難な新型ミサイルの開発に触れて「100%撃ち落とすのは大変で、どうしたらわが国を守れるかの議論をしていきたい」と保有に積極的な認識を表明した。7月中に政府に提言し、年内に改定する国家安全保障戦略や、連動して見直す防衛力整備の指針「防衛計画の大綱」などに反映させるよう求める。
 敵基地攻撃能力の保有に関しては、自民党はこれまでも、北朝鮮による度重なるミサイル発射実験などを受け、敵基地を「策源地」としたり、先制攻撃に当たらないことを強調した「敵基地反撃能力」との表現を使い、政府に検討を促してきた。だが、専守防衛から逸脱する恐れから国民の理解は広がらず、防衛大綱など政府の方針に反映されたことはない。
 公明党の山口那津男代表は三十日の記者会見で「政府は敵基地攻撃を行うことは想定していないとの答弁で一貫しており、それを踏まえて議論すべきだ」と、自民党の動きをけん制した。(上野実輝彦、山口哲人)

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