都、警戒呼びかけ数値目安設けず 7項目のモニタリング<新型コロナ>

2020年7月1日 05時50分

東京都の新型コロナウイルス感染症対策本部会議=30日午後、都庁で


 東京都は30日、新型コロナウイルス対策について、新たに「感染状況」と「医療提供体制」に着目した7項目でモニタリング(監視)すると発表した。警戒呼び掛けなどの目安となる数値などは設けず、「専門家の評価を基に対応を決める」とした。7月1日から試行する。
 新たなモニタリング項目のうち、
 
 (1)新規陽性者数
 (2)東京消防庁救急相談センターへの発熱相談件数
 (3)感染経路不明者の数と増加比―で感染状況を、
 (4)PCR・抗原検査の陽性率
 (5)救急搬送先が20分以上決まらなかった件数
 (6)入院患者数
 (7)症患者数―で医療提供体制の状況を把握する。
 
 都はこの7項目を週1回程度、専門家に分析してもらい、都のモニタリング会議で現状を評価。この結果を基に「不要不急の外出自粛」の呼び掛けなどをしていく。年代別や地域、業種ごとの発生状況なども分析対象にするとした。
 都はこれまで、今回の7項目とは異なる項目を含むモニタリング指標を活用。直近7日間平均の新規陽性者数など3つの数値を「東京アラート」や休業再要請を出す目安にしていた。
 6月2日、目安を超えたとしてアラートを発令。同11日にアラートを解除して運用を終了後、再び感染者が増加したが、都は感染経路が一定程度追えているなどとして外出自粛要請などは保留。「新型コロナとの共存と経済活動の両立を図る」として、新たなモニタリング体制を検討していた。
 会見した小池百合子知事は「三密を避けた行動などを徹底し、自らの守りを実践してほしい」と述べた。今後、休業要請を行う可能性は「感染が広がれば選択肢としてはあるかと思う」とするにとどめた。(小倉貞俊)

◆数値目標を設置せず、不明確な自粛・休業要請の基準

 警戒呼び掛けなどを行う数値目安が消えた東京都の新たなモニタリング項目。小池知事は会見で「一つの数字ではなく(専門家の)現場感覚で判断するべきということ」と述べたが、どの水準になったら外出自粛要請や休業要請をするのかは不明なまま。試行前とはいえ、消化不良な説明にとどまった。
 都はこれまで休業要請の緩和や再要請、「東京アラート(警報)」発令を判断するための目安として「直近七日間平均の新規感染者数」などの7指標を採用。これに基づき要請の緩和やアラートを出してきた。
 ただ東京アラートは効果を疑問視する声があったほか、経済活動再開の足かせとなる事態も起きた。都幹部は「目安に縛られ、身動きがとれなくなってしまった。反省点は多い」と振り返る。
 小池知事は会見で「数字に届いたらスイッチをオン・オフするのかではなく、全体像をとらえるのが今回の考え方」と強調。分かりにくいとの指摘には「まず試行し分かりやすい方法を見いだしたい」と話した。
 一方、大阪府は独自基準の「大阪モデル」について、警戒などを呼び掛ける数値基準を緩めつつも、残す方向で検討中。担当者は「警戒情報を頻繁に出すのは影響が大きく、見直しを検討している。ただ府としては(判断理由が不明な)ブラックボックスにならない方がいいとの考え。数値基準は維持する」としている。(岡本太、原昌志)

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