トキワ荘へ行こう!! 豊島に7日 マンガミュージアム

2020年7月1日 07時02分

漫画家なりきり体験の部屋も

 著名な漫画家を数多く輩出した伝説の木造アパート・トキワ荘の復元施設「豊島区立トキワ荘マンガミュージアム」が7日、同区南長崎にオープンする。地元の人たちが待ち望んできた復元の陰には、機運を盛り上げた歌がある。ご当地ソング「トキワ荘へ行こう!!」だ。「地域からアートを」と歌い継がれてきた。
 ♪トキワ荘へ行こう みんなの夢描き 世界へ羽ばたこう マンガの聖地としま〜
 軽快なリズムに明るいメロディー。昨夏のトキワ荘関連イベントでは、地元の区立富士見台小学校の子どもたちが、元気な歌声を響かせた。
 「トキワ荘へ行こう!!」の歌は、こちらから聴けます。
 同校では二年前から、音楽会や地元イベントなど、さまざまなステージで歌を披露してきた。最初は給食中に流すだけだったが、子どもたちはノリノリに。「歌詞カードがほしい」と言ったり、自主練習で漫画家の名前を覚えたり。トキワ荘に住んだ漫画家の名前「手塚治虫」「赤塚不二夫」や、今はない旧町名「椎名町」を連ねる難しいラップ部分もマスターした。酒井由江校長は「地元の歴史への理解を深め、誇りを感じるきっかけにもなっているようです」とほほ笑む。
 作詞作曲したのは地元の音楽家、Dr.レオナルド高木陽光(たかぎあきみつ)さん=写真。サビのメロディーと歌詞が「降りてきた」という。二〇一六年十二月、地元イベントを手伝い、同校の金管バンドの演奏を聴いた帰り道のことだった。
 地元の人たちのアドバイスも受けて、歌詞には、目標に向かって切磋琢磨(せっさたくま)した漫画家や、漫画文化を生んだ地域の魅力を盛り込んだ。一番はトキワ荘の住人たち、二番は漫画読者の思い、三番は漫画家志望の若者を応援するプロジェクトについて歌っている。
 完成した歌を披露すると、たちまち評判に。「孫と共通の話題で盛り上がった」とうれしそうに話してくれた人もいた。地元小学校のほか、劇団や商店街のイベントでも歌われたり、流れたりしている。
 「自分というアンテナを通じ、地域、トキワ荘に連なる人たちが生み出した曲」と高木さん。自身も子どものころからこの地域に暮らし、地元愛は人一倍強い。「トキワ荘の漫画家たちは、世界中を魅了してきた。新たなアート・カルチャーを生み出し、育もうとするこの“トキワ荘精神”を、現在にも体現したい」と話す。

◆施設の中は

共同炊事場=いずれも豊島区のトキワ荘マンガミュージアムで

 トキワ荘は1952年12月、豊島区椎名町(現南長崎)に建てられ、手塚治虫さんら漫画家たちが集った。老朽化で82年に解体。地元住民たちは99年、約2000人の署名(後に4000人に)を添えて「トキワ荘記念館」の建設を区議会に陳情。地元有志による協議会と区が連携し、記念碑の設置や関連施設の整備、イベント開催などを通じて漫画文化を発信してきた。

再現された水野英子さんの部屋

 ミュージアムは昭和30年代を忠実に再現。きしむ階段をのぼると、共同炊事場とトイレがあり、4畳半の漫画家の居室は半紙やペン、食べ終わった丼などが無造作に置かれている。1階はラウンジと展示室。
 当面は予約制。月曜(祝日の場合は翌日)休館。入館無料。
 文・中村真暁/写真・潟沼義樹
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