外出自粛…食事などの場に ベランダ利用 注意して

2020年7月1日 07時21分
 外出自粛の影響で、自宅のベランダで食事やキャンプ気分を味わう「ベランピング」を楽しむ人もいるのでは。ただ、マンションの場合、ベランダは万一の時には避難経路にもなるため、「共用部分」にあたり、禁止事項も少なくない。子どもの転落事故も全国で起きており、注意点を確認したい。 (細川暁子)
 マンションには、各居室など契約者やその家族らが専用で利用できる「専有部分」と、エントランスホールやエレベーターなど、そのマンションに住む他の人も利用する可能性のある「共用部分」がある。
 不動産コンサルタント会社「さくら事務所」(東京)の大浦智志さんによると、ベランダは分譲、賃貸ともに共用部分。火事などの時、隣の部屋につながる「隔て板」を突き破ったり、ベランダの床に備え付けられているはしごの「避難ハッチ」を使ったりして避難経路になるためだ。
 このため各マンションでは、管理規約でベランダを利用する際の注意事項を具体的に規定。設置が禁じられているものや行為があり、確認することが必要だ。
 「ライオンズマンション」で知られる大京(東京)の藤田功記さんによると、通常、設置が禁じられているのが、物置やペットの飼育小屋、多量の土砂を含んだ花壇など。緊急時の避難経路を確保するため、消防法でもベランダには避難の妨げになる物を置いてはならないと定めている。
 また、バーベキューや花火などの火気を扱うことは火事になる恐れがあり、通常禁じられている。観葉植物のバスケットや、布団をベランダの外側に掛けることも落下する恐れがあり、禁じられているケースがほとんどだ。
 タバコをベランダで吸う人もいるが、煙が流れてトラブルになることもあり、最近は禁止しているマンションが多い。ほかに、掃除やベランダ園芸の水やりなどで水を使うケースもあるが、ベランダの排水溝は雨水を流すことを前提にしており、大量の水を流すことが禁じられていることもあるので、注意したい。
 ただ、通常時は居住者に「専用使用権」があり、部屋の居住者が独占的に使えるようになっている。椅子やテーブル、小型の鉢植えなどを置いている家庭もあるかもしれないが、すぐに移動させることができるかどうかを確認しよう。
 鉢植えでも、動物や植物由来の有機肥料を使うとにおいが広がったり、虫やネズミが寄ってきたりする可能性がある。においが少ない化成肥料を使うことも手だ。
 藤田さんは、「ベランダは近隣とのトラブルになりやすくマナーを守ることが重要」と話す。

◆子ども転落 足掛かり置かない

 ベランダから子どもが転落して亡くなる事故が後を絶たない。先月十六日、横浜市のマンション八階のベランダから五歳女児が転落して死亡。神奈川県警山手署によるとベランダの手すりは高さ約一・二メートルで、近くには座面までの高さ約四十センチの椅子が置いてあった。母親は生後三カ月の弟を寝かしつけてうとうとし、女児の転落に「気付かなかった」と話しているという。
 先月八日には福岡県久留米市のマンションの十八階から、四歳女児が転落して死亡。警察によると両親は不在で、女児はベランダの物干し台に備わっていたタオル掛けを土台に、手すりを乗り越えたとみられる。
 消費者庁によると、十四歳以下の子どもが窓やベランダから転落して死亡する事故は二〇一〇年から一四年までに九十二件起きている。六〜八月に多く、年齢ではゼロ〜四歳が四十三件と最多。四歳の子が椅子とおもちゃ箱を重ねてよじ登り、柵を乗り越え九階から転落した例もあった。
 今年はコロナ対策で定期的な換気が必要となり窓を開ける機会が増える。担当者は「小さい子を一人でベランダ付近で遊ばせないようにし、足掛かりになるものを設置しないように」と呼び掛けている。

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