ベッドで使える理想のトイレを開発 介護する人もされる人も快適に

2020年7月1日 10時21分
 歯科医師で本紙読者の金井純代さん(82)=東京都新宿区=は30年以上にわたり、ベッドで使える理想のトイレを独力で開発しています。介護を受けるようになっても自ら排せつし、おしりを清潔に保ちたいという利用者の望みをかなえたい。そんな思いで試行錯誤を続けているといいます。(小形佳奈)

金井さんが開発した「マットレス一体トイレ」(本人提供)

 ウレタン製マットレスの中心部を縦55センチ、横13センチの長方形にくりぬいた「マットレス一体トイレ」(税別17万5000円)。寝る時はふたをして平らな状態で使います。ワイヤ入りのビニールカバーをくぼみにはめて和式トイレの形に整えれば、自力で排せつできます。おしりを洗う際も水が袋にたまるのでマットレスはぬれません。
 夫(83)が1975年に開業した脳外科病院で、おむつでかぶれ、真っ赤になった患者のおしりを見て衝撃を受けました。「排せつケアの問題を解決しないと、介護する側もされる側も不幸」と開発を始めました。
 91年、ベッドの中央部にセットされたプラスチック製のおまるが電動でせり上がってくる製品を発売。1台120万円したが、40台販売したといいます。その後、顧客を1軒ずつ訪ねて使用感を聞き取りました。「おまるの洗浄が面倒」「おまるの位置におしりをずらすのが大変」などの声を生かし、現在の形にたどり着きました。
 アイデアが浮かぶと、段ボールやごみ袋など身近な材料で試作します。それを製品にするのは、東京都国立市にある従業員23人の有限会社伊那製作所。専門は金属加工ですが、井上精一社長(77)は「物づくりで商売しているんだから、頼まれれば何でもやってみる」と胸を張ります。

金井純代さん

 現在、歯科医師としては第一線を退き、夫を介護しながら開発を続ける金井さん。次の目標は、より簡単に後始末ができる、マットレス一体トイレ用のシートの完成。する人もされる人も快適な介護の実現へ、研究意欲を燃やし続けます。製品に関する問い合わせは、金井さん=メールinfo@alicebed.co.jp=へ。

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