香港国家安全維持法が施行 返還23年記念式典で林鄭長官「歴史的な一歩」

2020年7月1日 14時00分

1日、香港で、香港返還23年の記念式典で掲揚される中国国旗(手前)と香港の旗=AP・共同

 【北京=坪井千隼】中国政府が香港の行政や司法への直接介入が可能になる「香港国家安全維持法」が30日午後11時(日本時間1日午前零時)、施行された。香港政府トップの林鄭月りんていげつ行政長官は1日午前開かれた香港返還23年を記念する式典で、同法成立は「歴史的な一歩」であり、昨年から続く抗議活動を念頭に「香港が苦境から抜け出す転機だ」と正当化した。
 香港メディアによると、林鄭氏は同法は「1国2制度を整え、正しい道に戻してくれる」とも述べ、必要なシステムを早急に整える意向を示した。
 式典会場周辺では厳重な警備が敷かれるなか、民主派活動家ら10数人がデモを実施。「国家安全悪法に抵抗する」「一党独裁を終わらせろ」などと声を上げたが、警察との衝突はなかった。
 同法は、中国の全国人民代表大会(全人代)常務委員会が30日に全会一致で可決、成立した。国家分裂や、政権転覆、テロ行為などの犯罪を規定し、外国人への適用も可能。
 外部勢力の介入など複雑な案件や重大な事案では、中国政府が新設する出先機関「香港国家安全維持公署」が、管轄権を行使できると明記。条件次第では中国本土の機関が香港での検察権、司法権を行使することが可能になり、香港の高度な自治を支えてきた「1国2制度」の形骸化がいっそう進むことになりそうだ。

関連キーワード

PR情報

国際の最新ニュース

記事一覧