「げんこつ」あられ発祥「評判堂」閉店へ 浅草・仲見世で135年「ここらが潮時」

2020年7月2日 05時55分
 東京・浅草の仲見世通り(台東区)で135年以上続き、あられ菓子「げんこつ」の発祥店として知られる老舗菓子店「評判堂」が10日に閉店する。菓子職人の引退などが主な理由だが、新型コロナウイルスの感染拡大影響も決断を促したという。店主で浅草観光連盟会長の冨士滋美さん(71)は「ここらが潮時かなと思った」と話す。(天田優里)

「評判堂」の閉店について話す店主の冨士滋美さん=東京都台東区で

 浅草寺・雷門から本堂に向かい右側3軒目にある店内には、浅草名物の雷おこしやあられ、飴といった昔ながらの菓子が並ぶ。菓子を入れる小箱も別売りし、多いときで120種類以上取りそろえた。客の要望に合わせて販売してきたが、冨士さんは「職人が次々と辞め、閉店は前から考えていた。お客さまがほしい商品をそろえられず、店として誇りを持つのが難しくなっていた」と話す。

評判堂のあられ菓子「げんこつ」

 店の創業年、店名の由来は不明だが、仲見世が現在の姿になった1885(明治18)年の記録に「売り上げ1番の店」と表記がある。当初は豆店だったが戦前から菓子も販売し、関東に初めてあられを伝えたという。「げんこつ」は、冨士さんの祖父が名古屋から職人を招き、現地で「鬼あられ」と呼ばれていた菓子を、東京で好まれる味と名前に変え、売り出したのが始まりだ。

昭和初期の「評判堂」

 観光客や芸能関係のごひいきなどで店は繁盛してきたが、新型コロナウイルスの影響で客足が減り、仕入れた菓子が賞味期限内に売れなくなってきたことも閉店の一因となった。「違う商品を扱って商売をやっていけないかとも思ったが、それも目先だけのものになる」。別の仕事をする長男に後を継がせるのも忍びなく、自身の手で店の歴史に幕を閉じることにした。
 一方、浅草観光連盟の会長の職は続ける。「浅草だけでなく近隣の人と情報交換し、安心して街歩きができるような対策を考えたい」。コロナ禍にあえぐ街のために、今後も力を注ぐつもりだ。

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