川崎市、ヘイト禁止条例を全面施行 在日コリアン喜びの声

2020年7月1日 20時00分

ヘイト条例完全施行を迎え、記者会見する崔江以子さん(左)=1日、川崎市役所で

 「条例は川崎、日本の宝物だ」―。川崎市は1日、ヘイトスピーチ(憎悪表現)に罰金刑を科す全国初の条例「差別のない人権尊重のまちづくり条例」を全面施行した。ヘイト対策を求めてきた在日コリアンや市民団体が市役所で会見し、「差別は犯罪として罰せられる」と喜びの声を上げた。(大平樹)
 ヘイト被害を訴えてきた市内在住の在日コリアン3世崔江以子(チェ・カンイジャ)さん(47)は「助けてください、と心の傷を訴えても、救済されず傷をえぐられてきた」とこれまでを振り返った。条例の全面施行に「ヘイトの抑止効果に期待している。価値が高まるように運用を応援したい」と笑顔で話した。
 在日コリアンらが多く住む川崎区桜本で多文化交流施設「ふれあい館」を運営する社会福祉法人「青丘社」の裵重度(ぺ・ジュンド)さん(75)は、米国での黒人差別に反対するデモに触れて「当事者以外が声を上げることに素晴らしさがある」と強調。「日本には差別があることに日本人が気付いてほしい」と訴えた。
 昨年12に制定された条例は、人種や国籍、性別などを根拠にした差別を禁止する。この日の全面施行でヘイトスピーチは罰則の対象になった。市長の勧告や命令にもかかわらずヘイト行為を3度繰り返した違反者に対し、市は氏名などを公表して捜査機関に告発。有罪の場合は最高50万円の罰金刑が科される。インターネット上の書き込みは罰則の対象外。
 市が規定するヘイト行為は、外国にルーツがある住民に対して、道路や公園など公共の場で「日本から出て行け」など住んでいる場所から追い出そうとしたり、「ウジ虫」や「ダニ」など人以外に例えて著しく侮辱したりする言動。

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