「主人公は私に通じる」 10日公開の映画「銃2020」主演・日南響子

2020年7月2日 08時15分

 偶然拾った拳銃に翻弄(ほんろう)される女性の狂気をテーマにした映画「銃2020」(武正晴監督)が10日、公開される。銃を恋人のようにいとおしみ、そして破滅の道を歩む主人公東子(とおこ)を演じたのは女優の日南響子(ひなみきょおこ)(26)。「東子と銃は引かれあうように出会った。東子は私自身に通じる」と話す。 (竹島勇)
 原作は芥川賞作家、中村文則のデビュー小説「銃」(河出書房新社)。奥山和由プロデューサーと武監督のコンビで二〇一八年に映画化された。この時の主演は村上虹郎で、日南は別の役で出演していた。
 奥山プロデューサーは今回のヒロイン抜てきに「スケールの大きい非日常性があり、その上、目の奥に知的な暗さを感じる。中村文則文学の世界に最もフィットする存在と思った」と説明する。
 孤独で生きがいを感じられない東子が拳銃を拾う。狂気を帯びていく東子の世界に、貧困や愛情のない家族の問題、ストーカーの存在など、現代社会の闇も映し出す。
 日南は「私は十二歳からモデルをしていて、人間不信になったこともあった。台本を読んで私と東子は似ていると感じた」と振り返る。難役に向き合い「(監督から)拳銃は男性だと思ってほしい、と指示されていたので優しく触れていました」と官能的な面も意識したと明かす。
 ファッション誌「ニコラ」のモデルなどとして活躍、二〇一〇年に女優デビュー。音楽活動に専念した時期もあるなど、マルチに活動している。二年前の「銃」で出演依頼を受け、本格的に女優業に復帰した。
 「幸せ」と感じた今回の主演だが、心は激しく乱れた役で、そして銃を放つ…など、重く苦しい場面の連続だった。それでも「最後に東子にとっての救いがある。銃と出会ったことで、最悪だった東子が報われた感じを見てほしい」と話した。

「銃2020」から。部屋で拳銃を手にする東子(日南響子)


<あらすじ>東子はごみにあふれたアパートに独り暮らし。父と別れた母(友近)は精神を病み、東子のせいで自分が不幸になったと罵声を浴びせる日々。そんなある日、東子は拳銃を拾う。その銃の持ち主を知る謎めいた男(佐藤浩市)や、東子を殺人事件の容疑者とみる刑事(吹越満)、ストーカー(加藤雅也)らが東子の前に現れる。拳銃だけが東子の心のよりどころとなり…。

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