【動画】藤井七段が王位戦初勝利 疲労はねのけ、ギリギリの攻め貫く

2020年7月2日 18時04分

王位戦第1局で木村一基王位に勝利し、笑顔で記者会見する藤井聡太七段=いずれも愛知県豊橋市のホテルアークリッシュ豊橋で

◆最強の盾破る


 将棋の木村一基王位(47)に藤井聡太七段(17)が挑戦している第61期王位戦七番勝負(東京新聞主催)の第1局は2日、愛知県豊橋市の「ホテルアークリッシュ豊橋」で指し継がれ、午後5時37分、先手番の藤井が95手で勝ち、初の王位獲得に向けて好スタートを切った。
 持ち時間各8時間のうち残りは藤井51分、木村30分。第2局は13、14日、札幌市の「ホテルエミシア札幌」で指される。
 先手・藤井の誘導で角換わりとなった本局。2日目は、木村が封じ手の2九角成(54手目)で飛車を奪ったのに対して、藤井が6二と(55手目)から後手玉に迫り、一気に終盤に突入した。
 藤井は長考の末、5三銀(61手目)から後手玉を追い詰めたが、「受け師」の異名を取る木村は3一金(74手目)と絶妙の受けで対抗。最終盤、藤井が寄せきるか、木村が受けきるか、ギリギリの局面が続いたが、藤井が1五歩(79手目)から細い攻めをつなぎ、最後は後手玉を即詰みに討ち取った。
 副立会人の山崎隆之八段は「攻めを貫いた藤井七段が最強の盾を破った印象だ。木村王位の力強い受けも素晴らしく、見事な棋譜が残った」と話した。
 対局の様子は東京新聞ホームページでも紹介している。

第61期王位戦第1局の感想戦で対局を振り返る勝利した藤井聡太七段と木村一基王位(右)

◆初の2日制「普段以上に疲れた」

 「2日目の午後から、普段の対局以上の疲労を感じるところがあった」。自身初となる2日制の対局を終え、和服姿で記者会見に臨んだ藤井聡太七段は、珍しく疲れを隠せない様子で言葉を搾り出した。
 1日目の最後の手を誰にも知られないよう記しておく「封じ手」については「まったく経験がないので、できれば木村王位に封じてもらい、勉強したいなと思っていた」。その狙いは当たり、1日目の夜は「しっかり寝られた」という。

◆木村王位も脱帽の鋭さ

 2日目、順調に攻めているように見えた藤井七段だが、百戦錬磨の木村一基王位は容易に土俵を割らない。「木村王位の玉が薄い局面が続いたが、きわどくしのぐ手を指された。攻め方を間違えてしまった」。一歩でも足を踏み外せば負けという、神経を使う展開に。「失敗したかなと思っていた」
 しかし疲労をものともせず、ギリギリの攻めをつなげて「最後は押し切ることができた」。木村王位も「鋭い寄せだった」と脱帽する終盤力で激戦を制した。「体力面で課題が残った」と反省しつつも「(地元の)愛知県でタイトル戦が指せるのはうれしかったし、ファンの方に見ていただく中で勝つことができて良かった」とほっとした表情も浮かべた。

◆タイトル戦3連勝

 これで同時並行の棋聖戦五番勝負での2勝に続き、タイトル戦の大舞台で3連勝。史上最年少でのタイトル獲得にまた一歩前進した。「結果は意識せず、反省を生かして指せれば」。驚異の17歳は、最後まで気を緩めなかった。 (樋口薫)

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