休業要請解除機に拡大か 病床まだ余裕、高齢者に広がれば医療崩壊

2020年7月3日 06時00分
 東京都が休業要請を全面解除した6月19日から10日余り。新型コロナウイルスの感染者は都内で100人を超え、危険水域に入ってきた。感染者の数だけ見れば、4月7日に発令された緊急事態宣言の直前と同じ水準だ。当時と違い医療体制に余裕はあるものの、感染爆発が起きれば危機にひんする。専門家は「感染者はさらに増える」とみており、若者から高齢者への感染の広がりに警鐘を鳴らす。 (中沢誠、原田遼)
 聖マリアンナ医科大病院(川崎市)の国島広之・感染症センター長は「最近になって検査が増えてきた」と述べ、再流行の兆しを感じるという。
 感染者急増の要因は、人の移動や接触が増えたことが大きい。都が休業要請を解除したのは6月19日。潜伏期間などを考慮すれば、感染は解除を機に広がった可能性がある。韓国やドイツでも、経済活動の再開後に感染が再流行した。
 名古屋市立大大学院の鈴木貞夫教授(公衆衛生学)は「外出自粛をやめれば、感染者が増えるのは当たり前。感染が2週間前だとすれば、感染者はもっと増える可能性が高い」とみる。
 検査能力を拡充し、すべての濃厚接触者を対象に広げたことで、検査数が増えた側面もある。しかし、感染経路の不明が5割を超える。見えないクラスター(感染者集団)があれば、感染爆発が起きる危険性はぬぐいきれない。
 6月下旬以降の感染者で目立つのは、ホストクラブなど夜の繁華街関連だ。6月26日~7月2日の感染者457人のうち4割を占める。都の担当者は「これまでも飲み会や会食が感染の発生源になっており、警戒は強めたい」と話す。
 4月に緊急事態宣言が発令された理由は、医療機関の受け入れ能力を超える患者数となり、医療崩壊が起きる懸念が背景にあった。6月下旬以降の感染者は若者が中心で、多くが軽症者。都内の医療体制に余裕はあるが、鈴木氏は「休業要請は難しいだろうが『夜の街』への規制は必要。今は医療機関が逼迫ひっぱくしていないが、高齢者に広がった場合は医療崩壊につながる恐れがある」と指摘する。

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