みだらでないビーチパーティー 編集局政治部 山口哲人

2020年7月8日 12時04分

2年ほど前、沖縄の地元紙・琉球新報の政治部記者として働く機会を得ました。
旅行も含めて初の沖縄はショックの連続でした。
驚いた一例が、同僚から「ビーチパーティーやるから来て」と誘われた時のこと。
私は思わず「浜辺で乱交パーティー?」と変な想像をしてしまいました。
いえ、ビーチパーティーは沖縄特有の健全な娯楽です。
同僚やその家族と一緒に海辺でバーベキューを囲み
のんびりと酒を飲みながら語らうのです。
目の前の美しい海で泳いでいる人はいません。
水着の代わりに目にするのは、ごう音をとどろかせて低空飛行する自衛隊や米軍の航空機です。
ここはさすが地元記者たち。
航空機を見て機種まで当てるだけではなく、同じ航空機が再び来ると
那覇空港が民航機の離着陸を優先して旋回してきたんだ、などと解説も付きます。
会話も通じなくなるほどのごう音にも悠然と構えています。
あの騒音の邪魔さえなかったらもっと最高の雰囲気だったのに。
この「非日常」が日常になっているのが沖縄だと痛感しました。
もとをただせば、過剰な基地負担を押し付けているのは本土の私たちです。
わずか半年の沖縄滞在でしたが、さまざまな「非日常」が感じられました。
東京新聞は、在京の新聞社の中で積極的に沖縄問題を取り上げています。
政府側に立つことよりも、沖縄に寄り添う記事が多いのは
記者たちが沖縄の現実を知っているからです。
今度読む沖縄の記事は、もしかしたらビーチパーティーの記者が書いているかもしれませんよ。
※執筆記者の所属は2020年6月24日時点のものです。

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