五輪は何のため? 原点に戻って考える 橋本聖子東京五輪・パラリンピック担当相

2020年7月4日 06時00分
<新型コロナインタビュー>

新型コロナによる延期問題について話す橋本聖子東京五輪・パラリンピック担当大臣=東京・永田町で


◆IOCは簡素化のプランを示して


 ―3月24日に東京五輪・パラリンピックの延期が決まった。
 新型コロナウイルス感染症の拡大で予選が次々中止となり、選手の不安を耳にしていた。延期の判断だけでなく、すぐに五輪が来年7月23日開幕、パラが8月24日開幕と決まり、選手も気持ちを切り替えやすかったのではないか。
 ―来年は簡素な形で行われることで国際オリンピック委員会(IOC)と大会組織委員会が合意した。
 安心・安全な環境で行うことは当然。延期に伴う追加費用も最小化しなければいけない。IOCは、主役である選手たちの環境が整えられるように、短期・中期・長期のプランを示してほしい。

◆本当に選手第一か 現役時代は疑問も


 ―政府の役割は。
 感染症の水際対策は政府にしかできない。先日、IOCから示されたロードマップでは、今年秋以降にコロナ対策を検討することになっているので、その時の世界の感染状況を踏まえ、政府の支援策を実施していきたい。
 ―五輪は規模が拡大し、弊害も生まれている。
 選手の収入や練習環境、指導者の支援体制は良くなった。一方で私も現役時代、5時間立ちっぱなしで五輪の開会式に参加するなど、本当に選手第一の大会なのか、疑問に思うこともあった。

◆人類がコロナに勝った証しとなる大会に


 ―改めて五輪の意義とは何か。
 平和への貢献だけでなく、選手が競技を通じて得た経験を医療や芸術文化、教育などの分野に還元する動きが出てきている。今回は「五輪は何のために存在するのか」を原点に戻って考え、持続可能な大会にしていく好機ではないか。
 ―新型コロナは収束の見通しが立っていないが、来年開催できるのか。
 各国がこれまで以上に速いスピードでワクチンや検査キットの開発を進めている。コロナで経済的にも健康的にもつらい思いをしている方がたくさんいる。来年は東日本大震災から10年の節目でもある。震災からの復興、そして人類がコロナに打ち勝った証しとして実感していただける大会にする責務がある。(聞き手・原田遼)

 はしもと・せいこ 1964年生まれ、北海道出身。五輪はスピードスケートで冬季4度、自転車で夏季3度出場。日本スケート連盟会長、日本オリンピック委員会(JOC)副会長などを歴任。昨年9月から五輪相兼女性活躍担当相。

関連キーワード

PR情報

社会の最新ニュース

記事一覧