<法律お助け隊 加藤健次弁護士>亡父が連帯保証人 相続すべきか迷う

2020年7月4日 07時55分
<お悩み> 会社を経営していた父が先日亡くなりました。会社は廃業していますが、オフィスのリース契約でクレジット会社から借りた多額の債務が残り、父は連帯保証人と最近知りました。ただこの数年、父は経営の一線を退いており、連帯保証をしたのか疑問です。母と妹は「遺産は不要だから私に任せる」と言っています。どうすればいいですか。 (東京・男性55歳)

◆放棄は尚早 債務確認を

<お答え> 相続は通常、亡くなった人の財産も借金もまとめて引き受けることを意味します。このため、父親が連帯保証人として背負った借金が財産より多い場合、相続人が不足分を負担しなければなりません。ただ、それだけの理由ですぐ相続放棄を決断するのは難しいと思います。
 そこで、相続するかどうかを決める期間(熟慮期間)を延長する方法があります。通常は三カ月ですが、家庭裁判所に申し立てると、さらに三カ月から半年間も先延ばしにできます。
 相続財産の範囲内のみで債務を支払う方法(限定承認)もあります。こちらは相続人全員で家裁に申し立てる必要があります。相談者の場合、母と妹を含めた三人で一緒に手続きをするか、二人に相続放棄をしてもらったうえで一人で手続きもできます。
 いずれにしても、父親が連帯保証人として債務を負っているかの調査が必要です。クレジット契約では、契約者が連帯保証人の署名・押印を勝手にすることがしばしばあります。リース会社は契約書を保存しているはずですから、まず写しを開示してもらい、確認しましょう。
 父親以外の人が署名・押印をしたとしても、父親本人が認めていると責任を負うことになります。クレジット会社は通常、連帯保証の意思に間違いないか、本人に電話などで確認し、記録に残しているので、開示するよう求めるのがいいでしょう。
 ただ、本人がきちんと理解しないまま同意していると、クレジット会社と見解が食い違うこともあります。そうなると解決に時間がかかります。いったん限定承認を申し立てたうえで、弁護士に相談することをお勧めします。

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