住宅のみ込む濁流 「助けて」のツイート相次ぐ 大雨の熊本・鹿児島

2020年7月4日 11時26分

大雨で川があふれ、浸水した住宅=熊本県芦北町佐敷で(住民提供)

 茶色く濁った川の水が、うねりながら住宅をのみ込んだ―。猛烈な雨に見舞われた熊本、鹿児島両県の市町村は4日、避難指示を出した。住民はごう音とともに急流が襲う様子を目の当たりにし「家の一部が流された」とおびえた。サイレンが響く中、避難所に向かう人や、屋根の高さまで浸水した住宅も。自治体は新型コロナウイルスを踏まえた対応を迫られた。

熊本県芦北町の土砂崩れ現場

◆響き渡るサイレン、ガスや下水の臭い

 熊本県芦北町の自営業山田春加さん(32)は四日未明、ゴーゴーという雨音で目が覚めた。午前4時ごろ、急流が近隣住宅をのみ込むのを目撃した。「大きい木や家の一部が流され、ぶつかる音が聞こえた。ガスや下水の臭いも充満している」と電話取材に緊迫した状況を語った。
 自宅は周囲より少し高い場所にあったため、ぎりぎりで浸水を免れているが、一帯は濁流にのまれた。明け方にサイレンが聞こえ、近隣住民は避難所に向かったという。同町の八代海に面した工場では黒っぽい水蒸気が噴き上げていた。

水に漬かった道路で立ち往生する車=熊本県八代市で

 隣接する八代市の球磨川では4日午前、橋の真下にまで水が迫り、流木やタイヤを巻き込んだ濁流が音を立てて流れた。橋に何かがぶつかる「ドン」という低い音が響き、辺りには泥の臭い。川沿いの道路は冠水し、水没した車が立ち往生した。屋根の高さまで水に漬かった住宅もあった。

◆住宅浸水、パニック

 芦北町や八代市では「助けて」「家族が取り残されている」とのツイートが相次いだ。
 「電話が鳴りっぱなしで、まとまりがつかない」。熊本県球磨村建設課の上蔀宏さんが役場の様子を明かす。同村を流れる球磨川が氾濫。上蔀さんは「2階まで浸水している住宅があり、避難できていない人もいるかもしれない。パニック状態だ」と落ち着かない様子で話した。
 鹿児島県の三反園訓知事は災害対策本部会議後の取材に、避難所での新型コロナ対策に関し「自治体には避難者同士のスペースを取るなどの対応を指示した。避難の際にはマスクを着用してほしい」と呼び掛けた。

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