サウジ記者殺害事件、公判始まる 被告20人欠席裁判

2020年7月5日 06時00分
 【カイロ=奥田哲平】一昨年10月にトルコのサウジアラビア総領事館でサウジ人記者ジャマル・カショギ氏が殺害された事件で、計画殺人の罪などで起訴された実行犯ら20人の公判が3日、イスタンブールの裁判所で始まった。20人の被告全員が不在の公判で、総領事館職員らが証言し、見つかっていない遺体の処分方法を示唆した。
 起訴された20人は、殺害に関与したサウジ情報機関の工作員ら。ムハンマド皇太子の側近だった情報機関のアシリ元副長官とカハタニ元王室顧問の2人は、サウジ検察当局が不起訴処分としたが、トルコでは「計画殺人を扇動した」罪で起訴された。
 トルコ紙によると、起訴状では、工作員らは皇太子批判の記事を執筆するカショギ氏に帰国を促し、拒否されたため窒息死させ、遺体をバラバラにした。事前に殺害や遺体処分の方法を話し合っていたとされる。
 証人として出廷したサウジ総領事館の現地職員らは、事件当日に領事公邸に呼び出され、庭のかまどに火を入れるよう指示を受けたとし、「肉を焼くための串を見た」などと証言した。
 事件を巡る司法手続きは、サウジで昨年12月に実行犯5人が死刑判決を受けた裁判に続き2度目。サウジの公判は非公開で、判決後にカショギ氏の家族が恩赦の意思を示して減刑に道を開いた。人権問題に関する国連特別報告者のカラマード氏は「茶番だ」と非難しており、トルコ国内の裁判で真相解明が進むかが焦点となる。

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