<ひと物語 コロナ編>草花で染まる街に ひたちなかまちづくり取締役・鴨志田聡(かもしださとし)さん(50)

2020年7月5日 07時54分

「秋にはコキアで真っ赤に染まる街にしたい」と話す鴨志田聡さん=ひたちなか市で


 春には青いネモフィラが一面に咲き誇り、秋にはコキアが真っ赤に染まる国営ひたち海浜公園(ひたちなか市)のみはらしの丘。目にも鮮やかなその光景を、ひたちなか市の街中に再現するプロジェクトを主導している。
 現在は秋に向けて、東石川第二公園や表町商店街の花壇でコキアの栽培を行っている。「新型コロナウイルスで大変なこの時期だからこそ、街中の草花を見て心に余裕を感じてもらえれば」。すくすくと育つ株に目を細めて言う。
 三十歳のころ、ひたちなか青年会議所でまちづくりの必要性を学んだ。商工会議所や市内の民間事業者などが出資し、中心市街地の活性化などに取り組む会社「ひたちなかまちづくり」を設立することを知ると、「ぜひ関わりたい」と手を挙げた。本業の警備会社経営の傍ら、二〇一五年の設立当初から取締役として事業に関わってきた。
 「県外から訪れた人が、ネモフィラで青く、コキアで赤く染まるこの街をきれいだと思い、草花を楽しんでくれたら」と植栽を始めたのは一七年だった。
 前年にJR勝田駅前で春と秋にそれぞれネモフィラとコキアの即席の花壇をつくり、太鼓やダンスの披露もあるイベントを開いた。ただ、コンクリートの上で草花を育てるのは難しく、植栽場所を探した。
 市の協力を得て、東石川第二公園にコキアを植えてみた。土が合わず、大きく育たなかった。土壌改良した上で翌春に向けてネモフィラを育て始めたが、それもうまく育たなかった。
 「花が咲かなくて、心が折れそうになったこともある」と吐露する。昨年は、台風15号、19号の強風で、コキアの株が倒れてしまうアクシデントにも見舞われた。
 それでも、協力する地域の住民らが「来年こそは」と頑張る姿に励まされて植栽を続けると、今春は「大成功」と言えるほどネモフィラがよく育った。ところが、新型コロナウイルスの感染拡大によって、咲いた花を多くの人に見てもらうことはかなわなかった。
 さらに、児童らに植栽に参加してもらっているが、今年は感染防止のため、コキアの植栽の参加を見合わせてもらわざるを得なかった。「楽しみにしてくれている子どももいるのに」と残念がる。
 県内でも感染者が再び増加傾向で、先行きが不透明な状況ながら、成長する株を見つめて前を向く。他にも植栽できる広い場所を探し、「春と秋には青や赤に染まる街にしたい」と意気込む。(水谷エリナ)

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