「勝者なき選挙」だった東京都知事選 国政政党の影薄く

2020年7月6日 06時00分
 現職の小池百合子氏が圧勝で再選された東京都知事選は、国政政党にとって勝者なき選挙となった。小池氏が政党の推薦や支持を断ったため、自民、公明の与党に見せ場はなかった。候補者を一本化できなかった野党は内向きの主導権争いに終始した。(井上峻輔、大野暢子)

◆与党の見せ場なし 小池氏に警戒感も

 小池氏が新型コロナウイルス対策を理由に街頭での選挙活動を控えたせいもあり、実質支援を打ち出した自民党は存在感を示す場面がなかった。公認候補を立てた都議補選では、党幹部や閣僚が連日マイクを握ったが、都知事選に触れることはなかった。
 公明党も小池氏を実質支援した。与党は「自公で協力して勝利する」と確認していたが、少なくとも自民党内に与党の勝利と喜ぶ議員は多くない。むしろ、発信力を高めた小池氏が再び国政に関わろうとすることに警戒感が強まる。党幹部は「今後も振り回されるだろう」と漏らす。

◆野党は主導権争い 共闘に不安残す

 野党側では、立憲民主、共産、社民の3党が支援した宇都宮健児氏、れいわ新選組の山本太郎代表が票を奪い合った。立民の須藤元気参院議員は山本氏支援に回り、離党届を提出。自主投票だった国民民主党の有志も山本氏を応援した。野党が一枚岩で与党に対抗する構図に程遠く、次期衆院選の共闘に不安を残した。
 国民は「れいわの勢いは無視できない」(玉木雄一郎代表)とし、今夏にも発表する政権構想では消費税への考えを見直す方針を示唆。山本氏が野党共闘の条件として「消費税5%」を唱えているからだ。立民は消費税減税に慎重なため、国民民主との溝がさらに深まる可能性がある。
 元熊本県副知事の小野泰輔氏を推薦した日本維新の会は、次期衆院選でも首都圏での候補者擁立に力を入れる構えだ。
 神奈川大の大川千寿准教授(政党論)は「小池都政の業績に対してさまざまな指摘がある中、国政の主要政党が候補擁立や政策的な対立軸の提示、争点化を主導できなかった。日本の政党政治の停滞、機能不全を表している」と語った。

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