<解説>パフォーマンスより地に足着けた施策を 小池氏圧勝で問われる真価

2020年7月6日 06時00分
東京都新宿区の都庁舎

東京都新宿区の都庁舎

 新型コロナウイルスの感染拡大に社会の関心が集中する中、現職を脅かす対抗馬が現れず、都民は現実路線を求めた。ただ本紙の世論調査で6割は「どちらかと言えば評価」で、白紙委任ではない。都民に約束した公約をいかに実現するか、2期目の真価が問われる。
 小池氏の特徴は、象徴的な言葉を駆使するリーダー像の演出だ。最近の例では一連の新型コロナ対応。感染拡大傾向が強まった3月下旬、緊急事態宣言に慎重だった政府を批判。節目には「感染爆発、重大局面」とフリップを掲げて露出を続けた。
 社会に自粛疲れの限界が見えると「立ち向かう」から、「コロナとともに」に変化。世の中のムードを読み、施策を打つ「頑張る知事像」のアピールが選挙に有利に働いたのは事実だ。
 一方、石原慎太郎、猪瀬直樹、舛添要一の3知事が途中辞職した後に、都政を曲がりなりにも安定軌道に戻した。延期となった東京五輪・パラリンピックの予算削減、築地市場の豊洲移転の一時延期などは世の注目を集めた。ただ成果を問うとき、どれも大きなエネルギーを注いだ割に、成果に乏しかったとの見方も根強い。待機児童の解消なども道半ばだ。
 鳴り物入りで導入した「東京アラート」も、解除後に再び1日の感染者が100人を超えた。選挙中は「三密」を避けるとして街頭には出ずにオンラインを貫き、討論会で他候補から感染再拡大への対応を問われても答えをかわし続けた。
 2期目の喫緊の課題はコロナ対策だ。その先には五輪・パラ。感染者が世界で増え続け収束の見えない中、開催の可否を冷静に見極める必要がある。耳目を集めるパフォーマンスよりも、少数派の批判にも耳を傾け、地に足を着けた施策を謙虚に実行してほしい。(社会部都庁キャップ 原昌志)

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